読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2016年ドラフト指名選手の巨人における展望と起用  加藤 脩平 育成ドラフト2位 高卒外野手

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巨人の育成ドラフト2位・磐田東高の加藤脩平外野手(17)が17日、浜松市内のホテルで仮契約を交わした。支度金200万、年俸240万円(金額は推定)で、背番号は「002」に決定。「早く支配下登録されて、背番号の0を取りたい」と加藤は決意を新たにした。同席した父・博幸さん(59)も高校や社会人の早朝野球などでプレーした経験があり、「プロ入りさせたいと幼い頃から指導してきた。夢がかないました」と笑顔で話した。

 目指すはトリプルスリーだ。木製バットに変わり、現在は自分に合ったスイングを研究中で、ヤクルト山田哲人の「大振りせずコンパクトに振り切る」フォームがしっくりくるという。50メートル6秒0とスピードもあり、打率3割、30本塁打、30盗塁を「いつかは狙ってみたいですね」。藤本茂喜スカウト(52)も「三拍子そろっていて、狙える力はある」と太鼓判。今後について「3年間は体を作って、4年目で勝負してくれれば」と期待をかけていた。

【加藤選手の紹介】

 177センチ83キロ。投手としてはチェンジアップを武器とする先発右腕、打者としては通算28発の長距離バッターとして活躍。プロとしては野手として評価されていたため、本人も野手としてのプロ入りとなりました。

 通算本数28発、外野手に求められる肩も投手としての強肩が活かされ、盗塁王といわないまでも足も速い。多くのスカウトがその打撃能力の高さや足の速さを評価しており、外野手として必要なものは揃っている選手であるならばなぜ育成契約まで残ってしまったか。

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 それはまず加藤選手が右投げ左打ちということです。これは外野手市場の中では飽和気味の打者であり、指名漏れとなる長距離バッターの多くがこの「右投げ左打ち」であり、専修大森山選手のような飛出たパワーや、阪神高山選手のようなアベレージヒッターでなければなかなか指名には至らないため、支配下指名となりませんでした。

 そして甲子園・選抜大会未出場ということも関係しています。地方学校選手の指名が低くなる理由として「地方大会での成績はいいが、それは強豪が少ない地域の大会だからで、プロ入り後は大した結果を残せないのではないか?」ということです。甲子園で大きく評価をあげた選手が一気に上位指名候補になるのはこれが理由です。全国を勝ち抜いた強豪校との対戦で結果を出せば、それだけ選手としての能力が高いことの証明になるからです。

 そのため右投げ左打ちの甲子園未出場という2点が育成指名にまでなった経緯となります。

 

 【支配下へのの課題】

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 スカウトも宣言しているとおり、巨人は高卒選手は1年は体作りをさせ、素材型で時間のかかる外野手は最低3~4年はかかると言及されています。育成であることからまず3軍で経験をつむことになりますが、3軍もレフトは外野手コンバート本格化の和田恋選手・センターは同じ育成の松原選手・ライトも育成の松澤選手のなるため、1年は試合にでないでしょう。ただ現在の巨人は育成含め外野手が少なく、怪我になり出場選手が減れば出場の機会も生まれます。

 一方で外野手は他ポジションからのコンバートが多く、守備に課題はあれど強打の内野手が外野にコンバートされるため、高卒とはいえあまり猶予はありません。何より育成→支配下の外野手で1軍スタメンを守れている選手は非常に少なくロッテ・岡田選手や巨人・松本選手も守備固め・代走要員となっています。そのため3年以内に3軍を上がり、6年以内には支配下にならなければ戦力外にも繋がります。とにかく現在の巨人では打てる外野手が不足しているため、打撃面で存在感を出せれば一気に支配下に近づくでしょう