「打倒・作新」を掲げていた青藍泰斗・石川のリベンジはかなわなかった。関東NO1右腕は「チームを勝たせられず申し訳ない」と唇をかんだ。左足首の捻挫を抱えながらも3失点完投。8三振を奪う139球の力投だったが、昨秋の県大会準決勝に続き、王者の壁にはじき返された。プロ注目の剛腕の夏が終わった。
悔やまれるのは3回だけだった。2死満塁のピンチを招くと、左中間三塁打を許し、3点を先制された。「どの球でも対応してきた」。スライダー中心に切り替えた4回以降は無失点。この日のMAXは148キロ。世代トップ級の意地は示した。
この日は6球団11人のスカウトが視察。ロッテ・諸積スカウトは「左足の状態がいい時には、踏み込んだ後、足が浮いてプレート方向に素早く戻る。ダルビッシュ(レンジャーズ)、大谷(日本ハム)ら超一流の速球派投手に見られる動き。将来はもう10キロ程度、速くなりそう。大谷に近くなる可能性がある」と賛辞を贈った。楽天・長島スカウト部長は「球団によっては1位の12人に入るかもしれない」と評価は不変だった。
【石川選手の紹介】
179センチ82キロ 右投げ左打ち
肩関節が柔らかく、オーバースローに近いフォームから最速151キロと縦のスライダーを武器とする。
身体能力も高く、打者としても強肩強打の外野手として起用されている。
熊本工・山口選手や国際湘南・本田選手とともに上位候補とされる素材型右腕投手になります。
【指名への課題】
一年時に半月板手術や三年時にも肩・股関節の怪我で経験するなど、常に怪我に悩まされていることもあり、怪我体質という本人の努力ではどうしようもない部分は懸念材料になります。
球速をあげ評価をあげている三年で甲子園に出られなかったため、去年の作新.・今井選手のように甲子園で評価をあげ、1位指名を勝ち取る道筋もなくなったのもマイナス材料になります。U-18候補にも選ばれていないため、これ以上評価をあげる場面がないのはNo.1候補としてはつらい状況になっています
【指名順位予想】
指名としてははずれ1位もしくは2位指名が濃厚。やはり甲子園で出れなかったのは大きなマイナス材料となります。高い身体能力とキレを有しますがまだまだ荒削りな部分が多く、一方で高卒投手不作年の中で高い評価を受けており、相対的に優先順位が上がっています。