東洋大が国学院大との3回戦に快勝し、勝ち点を3とした。プロ志望届を提出した飯田晴海投手(4年)が6安打7奪三振でリーグ戦初完封。24日からの最終週、勝ち点3同士の亜大との直接対決に春秋連覇を懸ける。
なりふり構わず勝ちにいった。飯田はフォームを変え、変化球の封印を解いて完封し「この一戦に懸けていた」と汗を拭った。今季登板した6試合中5試合でイニング途中に降板。「何とかしなければ」と焦った。転機は試合前。投球練習で高橋昭雄監督から「トルネードでやれ」と命じられた。テークバックで「間」をつくることで、打者のタイミングを外して連打を許さなかった。封印していたチェンジアップも駆使。空振り三振を奪うなど7奪三振で「(2年春に手術した)肩が良くなってきた。手応えはあった」と胸を張った。
日本ハム・今成泰章スカウトは「自滅しないしセンスがある」と評した。
【飯田選手の紹介】
175センチ77キロ 右投げ右打ち
最速147キロ、常時135後半から140前半のストレートにスライダー・カーブなど多種の変化球を制球力を武器に駆使する先発右腕。被安打率は高く失点はするが大崩れしないことで試合を作れる投球術を評価されています。
12日にはトルネードフォームに急遽転換し完封勝利をおさめるなど投手としての器用さも評価の一つとなっています。
<2017年ドラフト候補>東洋大学 飯田 晴海 投手(常総学院)【4年】:第66回全日本大学野球選手権2017
【指名への課題】
まとまった選手ではありますが、裏を返せば強力な個性を持たない選手。肩に手術暦もあり、球速は右投手としては少し物足りない。変化球も空振りを奪うほどの絶対的武器もない。プロとして大成するにはどの部分ももう一伸び欲しい選手になります。
トルネードを取り入れていますがトルネード投法は球速とパワーが手に入る代わりに体への負担と制球を失う諸刃の武器であり、プロも手放しには喜べない結果となります。
【指名順位予想】
残念ながら現状ではプロ即戦力とはいえず、下位で獲得し肩の全快を待ちつつさらに投手としての技術を磨き、1~2年後に1軍先発登板を目指す流れとなります。
そのため大卒素材型としての評価となり、一方で素材として飛出たタイプでもないため、先発実績こそあるものの5~6位の下位指名となります。