読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

なぜ高木勇人選手はプロテクトから漏れたのか。そして人的補償に選ばれなった選手とその理由を解説する

高木勇は14年ドラフト3位で入団。1年目から先発ローテに定着し、独特のカットボールを武器に9勝10敗、防御率3・19の成績を残した。2年目からはやや伸び悩み、今季は中継ぎを中心に16試合で1勝2敗、防御率2・63だった。

 高木勇 3年間でしたが、巨人軍関係者の皆様や温かい声援を送ってくださったファンの皆様との出会いが自分にとって大きな財産となりました。「勝ちたい」という気持ちを強く持ち、西武ライオンズの優勝に少しでも貢献できるように頑張ることでお世話になった方々やファンの皆様に恩返しをしたいと思います。

巨人高木勇人、FA野上の人的補償で西武入り (日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

 

  FAで獲得された西武・野上選手の人的補償として高木勇人選手が西武に移籍することとなりました。元々西武は人的補償として投手を狙うことを明言しており、現在の西武は野上選手だけでなく牧田選手も海外移籍の可能性があり、先発ローテが崩壊状態となっているため、先発候補を取る可能性については触れられていました。

 そこで西武は1年目に先発ローテに入り、今年は先発・中継ぎで起用された高木勇人選手を獲得選手として発表しました。

 西武・鈴木葉留彦球団本部長(66)が18日、巨人にFA移籍した野上亮磨投手(30)の人的補償として獲得した高木勇人投手(28)について大きな期待を寄せた。

 「ピッチングスタイルに落ちつきがある。年齢的にもちょうどいいし、10勝近くやってくれると思う」と強調。さらに「辻監督からも最初から投手をお願いされていて、個人名を挙げて一致しました」と獲得に至る経緯について説明した

西武・鈴木球団本部長が巨人から加入の高木勇に期待「10勝近くやってくれると思う」 (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース

 

 しかしファンの中には「先発ローテとして野上選手を獲得したのに、先発が出来る高木選手を漏らすとか意味ないだろ」と批判する声もあります。それでは、なぜ高木選手がプロテクトリストから漏れていたのか。そして人的補償候補選手はなぜ選ばれなかったのか。それを解説したいと思います。

 

 

 【漏れた理由①:一岡ショックからの若手重点プロテクト】

「一岡  巨人 公式」の画像検索結果

引用:読売巨人軍公式サイト

 近年の人的補償で活躍した選手として多くのファンが挙げるのは大竹選手の人的補償で広島へ移籍した一岡 竜司選手です。移籍1年目から1軍中継ぎとして活躍し、今季は59試合登板で防御率1点台を記録し、年俸5300万と順調な活躍を遂げています。

 広島の一岡竜司投手(26)が12日、広島市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、2500万アップの5300万円でサインした。今季は自己最多の59試合に登板し6勝2敗1セーブ、防御率1・85と好成績をマーク。リーグ連覇に大きく貢献した。

広島・一岡、2500万増 59試合登板でフル回転「納得して判子押した」/カープ/デイリースポーツ online

  その後も山口選手の人的で将来の先発候補だった平良選手や、相川選手の人的として移籍し、今季は1軍ショートでも起用されている奥村選手も人的補償となり、巨人の高齢化に拍車をかける結果となりました。

 この事から巨人は即戦力候補の中堅よりも、将来的な戦力候補となる若手プロテクトに重点を置きました。候補としては大江・高田選手を筆頭に、7位指名ながらも来季先発候補の一人の中川選手。そして28歳ながらも今季支配下されまだ伸びしろのある篠原選手も優先的にプロテクトされた可能性があります。

 

【漏れた理由②:鹿取GMの若返り改革アピール】

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 今年から鹿取GMになり若返り改革を宣言し、藤村・北選手などの中堅選手を大量解雇し村田選手も自由契約にしたりと、30手前から35辺りの選手の多くを戦力外にしました。

 このように巨人若返りのためにかなりの選手を解雇し、これからの巨人を作るためにはかなりの痛みを伴う改革も断行するということを内外にアピールした形なります。

 その矢先に奥村選手や平良選手のような若手選手が人的補償に取られてしまえば「あれだけ選手を切っておいて若手取られるとか何も変わってないじゃないか」と後ろ指を差されることとなります。つまるところ、政治的理由も多少なりとも関わっている形となります。

 

【漏れた理由③:1年目がピークだった成績と年齢】

「高木勇人  巨人 公式サイト」の画像検索結果

引用:読売巨人軍公式サイト

  なぜ先発候補である高木選手が漏れていたのか。それは高木選手のここ3年の成績を見てみると理解することが出来ます

 1年目:26試合163.2/3イニング 9勝10敗防御率3.19

 2年目:25試合117イニング    5勝 9敗防御率4.31

 3年目:16試合 271/3イニング  1勝 2敗防御率2.63

 

 このように1年目をピークに2年目は対策され、3年目は四球・飛翔癖が悪化し中継ぎ起用となるも四球を連発し大差がついた試合でしか起用されない消去法起用。先発として再調整するも1試合目でバントミスの負傷と、年々起用されなくなっています。その大きな要因としては持ち球だったカットボールが対策され、ストレートは球速の割りに長打を打たれ、変化球も球種はあるが決定的持ち球がなく、制球もあまりいいほうでないため、突然制球が悪化し四球連発→ビクビクして置きにいった変化球を痛打され失点といった登板内容が増えていきました。

 中継ぎも制球の悪さが災いしランナーを貯める場面が多く、勝ちパターンに使うには厳しい内容となっていました。

 また3年目ながら指名時点で高卒7年目の26歳。4年目となる来年は30歳と徐々に選手として下降線を迎え始める年齢。ただ社会人即戦力だから伸びしろがないわけではなく、新たな変化球を身につける、指名時点で課題だった部分が改善されるなどの兆しも立派な伸びしろであり、それをアピールできていれば高木選手もプロテクト入りの選手になりえたでしょう。

 ただ上記3年の成績からわかるように、高木選手は1年目がピークでその後改善の兆しなし。ストレートの球威も徐々に低下しており、首脳陣からはここから伸びる可能性は低いと判断されてしまいました。

 

 

ここからはプロテクト外の人的補償候補とされながら、なぜ選ばれなかったのかを解説していきます。ただし、西武側が当初から候補として投手を挙げていたため、解説は投手のみとなります。

 

 【人的候補①】與那原 大剛(19)

「與那原大剛  巨人 公式サイト」の画像検索結果

引用:読売巨人軍公式サイト

 若手重視プロテクトと書きましたが、すべての若手が保護されたわけではありません。與那原選手は15年3位指名で入団。長身トルネードで話題となった選手ですが、今年はフォームが崩れ迷走。トルネードをやめる→再開→やめるを続け今年は3軍がほとんど。その3軍でもあまり結果を残せませんでした。そのため同年入団の巽選手が育成落ち、松崎選手が戦力外になった経緯と、出身校が公立で学閥縛りも無いため、與那原選手もプロテクト外候補の一人でした。

 しかし本人の迷走もあり今後の伸びしろも不明。2~3年後には戦力外の可能性もある選手を人的で取るメリットは低く、先発の穴をすぐにでも埋めたい思惑からもはずれており獲得は見送られました。

 

【人的候補②】今村 信貴選手(24)

「今村 信貴  巨人 公式サイト」の画像検索結果

引用:読売巨人軍公式サイト

 人的有力候補の一人だった左腕投手。先発実績もあり年齢も24歳と大卒二年目のため、今村選手をプロテクト入りさせるかどうかを迷う予想者も多かったと思います。

 ただ今回西武が欲しかった候補は牧田・野上選手であいた先発の穴を少しでも埋められる選手。今村選手は現状は燻っている選手であり、即起用できる可能性は低い選手。そのため即戦力性を優先され高木選手となりました。

 

 【人的候補③】廖任磊(24)

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引用:読売巨人軍公式サイト

 16年に獲得された大型パワーのロマン枠。一年目の投手ですが今期は三軍登板が主であり、学閥の縛りもないため漏れた可能性があります。しかし西武にはすでに2位指名の中塚選手がおり、大型ロマン枠はすでに事足りています。今の西武の投手事情でいつ戦力になるか計算しづらいロマン枠を2名も抱える余裕はなく、獲得から漏れた形となります。

 

【人的候補④】吉川 光夫(29)

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引用:吉川 光夫のプロフィール|読売巨人軍公式サイト

 

 大田・公文選手とのトレードで石川選手とともに獲得された左腕先発。ただし今季は防御率5.87と結果を残せず、戦力として見られているかは微妙なラインの選手ですが、元々パリーグの日ハム所属であるためすでにパリーグでは研究された選手であり、成績も高木選手の方が良いため獲得が見送られました。

 

【人的候補⑤】大竹 寛(34)

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引用:大竹 寛のプロフィール|読売巨人軍公式サイト

 FAで加入も年々成績を落とし、今年は2軍登板が主となった先発投手。FAで取った選手が人的補償候補にはならない。そうなれば誰もFAとして入団しなくなるという声もありますが、過去にFA入団した江藤・工藤選手などが人的補償として移籍した過去があり、たとえFA入団であっても数年経ち戦力とならなくなればプロテクト外となります。大竹選手も今年も減俸となり中継ぎ起用も示唆されています。そのためプロテクト外とされた可能性の高い選手ですが、衰えでいえば高木選手よりも顕著で、今後戦力となる可能性も低いため獲得は避けられました。

 

 以上で高木選手人的候補解説を終わります。これから高木選手の評価がどんどん上がっていくことが予想されますが、漏れるには漏れるだけの理由があることも頭に入れた上で高木選手の今後も見守っていただけると幸いです。