第90回選抜高校野球大会で史上3校目の春連覇を狙う大阪桐蔭の強力投手陣の一人、滋賀県米原市出身の横川凱は、1年前の悔しさを晴らすべく雪辱の舞台に挑む。チームが優勝を飾った前回、横川は登板した唯一の試合で実力を出せなかった。26日に初戦を迎える。プロ注目の大型左腕は「今度こそ優勝に貢献したい」と闘志を燃やす。
190センチの長身を誇る横川は、しなやかなフォームから最速144キロの直球を投じる本格派。昨秋は大阪府大会から6試合計36回を投げて防御率1・75。右腕の柿木蓮、根尾昂という今大会注目のチームメートとともに3本柱の一角を担う。
中学時代から全国クラスの実績を残し、「一番高いレベルでプレーできる場所に行きたかった」と大阪桐蔭に進んだ。1年秋から中心投手として起用されたが、昨春の甲子園では試練を味わった。
先発した静岡との2回戦で強力打線につかまり自責点4。アウトを1つしか取れずに降板した。「悔しくて今でも思い出す。自分を見失っていた」。その後、甲子園での登板機会はなく、一方でチームは全国優勝。昨夏の甲子園でもマウンドには立てなかった。
雪辱を期して体づくりから見直し、地道なトレーニングで筋肉を増やした。体のキレを重視し、スタミナも向上。「調子が悪い日も悪いなりに打者へ立ち向かえるようになった」と精神面でも手応えをつかむ。チームの偉業が懸かる大会へ、「今度こそ結果を出す。自分の役割を果たし、連覇に貢献する」と誓う。
【横川選手の紹介】
190センチ84キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ
最速144キロ、平均130後半のスピードのあるストレートを武器とする大型左腕投手。身長を活かし高い位置から投げ込む落差の大きいカーブも武器。また牽制の上手さも持ち味のひとつ。
2年春の選抜では1イニングも投げぬけず1/3イニング5失点で鋼板。しかし秋の地方予選では近大付戦での7回1失点で完投(コールド勝ち)を記録するなど。6試合35イニング8失点で防御率1.75を記録している。
大阪桐蔭横川投手10奪三振 2017年秋季大阪大会5回戦香里丘戦
【指名への課題】
ストレートのコントロールが非常に悪く、ストライクゾーンに入るのは5球の1球入ればいいほうであり、調子がいいときでもボールゾーンに行くほうが多いほどであり、大半がバッターの頭の高さまで抜けるか、バウンドするかといったほど。そのため落差のあり比較的安定している変化球でカウントを整えています。2年の選抜はこれが原因で炎上し、3年に成長が期待されましたが、ノーコンは改善されておらず、選抜は柿木・根尾選手で回していました。
そのストレートも球速ほどのキレやノビがなく、持ち味である自身の好素材を活かせて折らず、選手としての評価は「素材型としての潜在能力を評価する」にとどまります。
【指名順位予想】
投手能力として評価は低く、ノーコン左腕はなかなかプロとして戦力にするのが難しいため、現状では素材としての評価で8~10位、もしくは育成1~2位となります。
しかし大阪桐蔭ブランドがあり、なおかつ低順位での指名しか見込めないため、プロ志望を出さず大学・社会人に進みそちらでプロ上位を狙う可能性もあります。