東海対決を制し、JR東海が11年以来7年ぶりにベスト8に名乗りを上げた。亜大から入社3年目、サイドスローに転向して2年目の川本がフォーク、スライダーをコースに決め、8回2死まで強打のトヨタ自動車を3安打に抑えた。
「試合前は緊張で吐き気がしたけど、マウンドに上がれば大丈夫。早く点を取ってくれて助かりました」と大会初登板初勝利のウイニングボールをバッグに詰め込んでいた。
▼トヨタ自動車・桑原大輔監督(一昨年の優勝チームが4安打零敗)とても悔しい。この一年間、しっかりやってきたはずなのに…。敗戦は私の責任です。
【川本選手の紹介】
179センチ82キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・シュート・フォーク・スプリット・チェンジアップ・シンカー
解禁年:2017年
上半身を低くしたところから大きな振りのサイドスローで最速146キロ、常時130後半のストレートと多彩な変化球が武器の右腕投手。的を絞らせない球種が武器の一つ。サイドスローは社会人になってから始めたフォームとなっています。
またストレートが浮き上がるような軌道を描くため、変化球の軌道とにていることから、ストレート狙いのバッターをシュートやフォークで三振させることができる上、狙い球を絞れないため、甘いところにきち球も打ち損じてしまっています。
主に中継ぎで登板することの多かった選手ですが、トヨタ自動車戦で先発登板すると8回途中で3安打無失点の好投。その後もセガサミー戦でリリーフ登板すると2.2/3イニングを無失点で切り抜けており、先発・中継ぎ両面でいける投手となっています。
【指名への課題】
浮き上がる故に甘いところにいくと長打になりやすく、真ん中にいったところを振りぬかれると外野を越える当たりになっています。トヨタ戦ではそれらを痛打されましたが、相手の暴走に助けられた形となっています。
また右投手に関しては外に逃げるシュートや打者に向かってくるような軌道からストライクゾーンに来る変化球がありますが、左打者に対してはストレートと落ちる球で緩急をつけて打ち取る内容となっているため、左打者に対してはバウンドする球も多く、キャッチャーの技術によっては落ちる球をあまり要求できず左打者への攻めが苦しくなる危険性があります。そのため左打者への横の変化球がほしいところ。
【指名順位予想】
今回の都市対抗で投手の中ではトップクラスの成績となった川本選手ですが、球種の豊富さや安定した球速、緩急などから先発向けとして計算したい選手。ただ先発実績は少なく大卒社会人3年目であることを考慮し、指名順位予想は4~5位上位となります。今後先発実績を積み、スタミナ面の不安が解消されれば3~4位まで上がってこれるではないかと考えられます。