第89回都市対抗野球大会最終日(24日、大阪ガス2-0三菱重工神戸・高砂、東京D)決勝が行われ、大阪ガス(大阪市)が三菱重工神戸・高砂(神戸市・高砂市)を2-0で破り、初優勝を果たした。3年ぶり3度目の決勝進出となった大阪ガスは、0-0の八回に峰下智弘内野手(26)と近本光司外野手(23)の適時打で2点を先行。継投も決まった。近本は打率・524をマークし、橋戸賞(最優秀選手賞)と首位打者を獲得した。
3度目の決勝で、ついに念願の金メダルを手にした大阪ガス・橋口監督は「長い間目指してきて、やっと取れた。放心状態」と万感の思いを口にした。
息詰まる展開が続いた後の八回一死二塁。3番・峰下の中前打で均衡を破り、絶好調の近本の適時打で加点。最優秀選手と首位打者に輝いた近本は「ここ一番で打てたのがよかった。大会が終わるのがさみしい」と満面の笑みを浮かべた。
大阪北部地震の発生後、ガスの復旧作業で選手らは1週間、練習もままならない状況で働いた。指揮官が「会社あっての野球部。一回り大きくなって戻ってきた」と振り返るように、団結力を強めたことも勝因の一つとなった。
次はこれまで準優勝が最高の日本選手権の初制覇を目指す。近本は「チーム一丸となって戦っていきたい」と二つ目の頂をにらんだ。
【近本選手の紹介】
170センチ70キロ 左投げ左打ち
ポジション:ライト・センター
大阪ガスではクリーンナップをつとめる左の外野手。一塁到達速度4秒前後の俊足が武器であり、詰まった内野ゴロなら内野安打にしてしまうほどの俊足を誇る。
また足が速いだけでなく走塁意識も高く、右中間よりのセンター前ヒットの際、相手守備がゆっくりと捕球していたのを見るや一気に二塁を陥れるプレーを敢行しています。打撃についてもNTT東日本・堀選手のストレートを上手くレフト方向に流すなどバットコントロールも披露しており、高めのストレートをレフトを越える当たりにしているなどパワーも持ちあわており、俊足巧打だがパワーも持ち合わせた選手となります。
2018/07/17 大阪ガス・近本光司外野手のバッティング
【指名への課題】
大阪ガスでは現在5番を打っているものの、打撃内容を見る限りクリーンナップでなく1番を打つチャンスメーカータイプです。しかし近本選手は難しい球にも手を出す傾向にあり、四死球率もあまり高くありません。本塁打はあるものの足で稼いだ当たりが多い選手。このためプロ入り後は当たれば飛ぶことはあれど長打が期待できるタイプではありません。
また守備については足の速さもあり守備範囲は広いものの、その足の速さが災いし追いすぎることがあります。そのためバウンド処理を誤り長打のされたミスもあるため、守備判断能力は高くありません。
【指名順位予想】
プロ入り後はケースバッティングが求められる2番よりも、フリースインガーで足で相手バッテリーを掻き回す方が向いています。一方で外野を超える当たりが少ないため、ランナーが貯まって各駅停車になりやすい下位打線は現状では不向きです。
このため候補は1・3番向きの選手となり、指名順位は4~5位となります。身長の低さと外野を超える当たりの少なさがネックとなっています。