読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2018年読売ジャイアンツ育成指名を振り返る  一つの武器にかけた選手たちを指名


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 こちらは18年度読売ジャイアンツの育成指名について振り返ります。結果としては4名とこちらも想定よりも少ない指名となりました。その内容について振り返ります。

 

 

 

 

【育成1位指名】健大高崎高 山下航汰選手 高卒左外野手

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 まさか育成まで残るとは思われていなかった通算75発の左のスラッガー。今季は左のスラッガーが少ないなか、これだけの実績のある選手がなぜ育成まで残ったかについてですが、原因は二つと思われます。

 まずは175センチとあまり野手として大きくないこと。このため身長面での伸び代を低く評価されてしまい、特に長距離打者として期待される以上、筋肉の総量に関係してくる身長は壁となりました。

 もうひとつは遠投90m未満という弱肩。高校ではファースト・レフトとして起用されていますが、プロだとこの弱肩ではレフトも厳しいでしょう。このためファーストでのみの起用となるため、さらに順位が落ちたものと思われます。しかし今の巨人の2・3軍は引退した脇谷選手や育成で外野手である加藤選手が入る固定できていないポジション。岡本選手こそ1軍ファーストで固定できましたが、来シーズンは再度サードコンバート案も出ており、ファーストでも十分に出場機会が狙える状態にあります。実績面から育成は拒否する懸念もありましたが、本人のコメントからはその可能性は低いようです。

 

【育成2位指名】岐阜一高 平井 快青選手 高卒右投手

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 184センチの長身から投げ下ろすストレート、フォークが武器の長身右腕。育成まで残った理由としては投球内容の安定性がかけている点のようです。2年までは最速130キロ台で候補としても名前は挙がらなかったものの、18年より監督として就任した鍛治舎巧監督のもとで指導を受け、球速を大きく上げたようです。

長身とフォーク、そして力押しできるストレートを評価されての獲得。ただし編成側は野手としても評価しているようで、野手としてはライトで出場しているようです。

 

【育成3位指名】 旭川大高 沼田 翔平選手 高卒右腕投手

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 ストレートの伸びとイケメンが魅力の右腕投手。甲子園でも8回まで好投した選手です。ただしストレートのキレがいいときの悪いときがあり、変化球のスライダーも決まったり決まらなかったりでまだまだ安定性が課題の選手。

 柏田スカウトも「体が出来れば150キロは出る」と評価しており、63キロと細身の選手であるため、じっくりと体作りに時間をかけていく必要はあります。

 

 

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【育成4位指名】 敦賀気比 黒田 響生選手 高卒右内野手

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 まさかこの選手の予想が当たるとは思えなかった。184センチ75キロの大型ショート。1年生のころよりショートスタメンで起用されていた選手でシャープな打撃と動きのよい守備が武器となっています。スカウトも守備能力を高く評価しているようです。

 育成選手でショート守備ができる選手がいなかったため、ポスト坂本選手とは別に育成でも獲得の可能性があり、そのポジションとして獲得された選手となります。

 

【指名内容について】

 山下選手は外野手と見る声もありますが、守備を考えれば内野手。このため投手2、内野手2名の合計4名となりました。一見すると外野手をもっと指名すべきだったのではないかとも思えますが、支配下でも重信・和田恋・松原・村上選手がおり、育成でも笠井・荒井・加藤選手がいます。さらに外野で起用されることも多い若林選手に加え、5位の松井選手は外野起用の可能性もあるため、こうみると2・3軍で起用するには十分な数となっています。

 希望としては1軍ですぐに起用したい立命大・辰巳選手が欲しかったというところでしょうが、そこが取れなかった時点で諦めたということでしょう。若林選手、松井選手を外野で本格起用となれば内野が足りなくなるため、ファーストとして山下選手、ショート・セカンドで黒田選手を起用していくこととなります。

 指名数については支配下もふくめ合計10名指名のため二次戦力外はあまりないと考えていましたが、まさかの支配下4名、育成2名を追加で戦力外にすることが発表され「これ来年試合成立できるの?」という状態となっています。もしかすると新たな育成外国人の指名もあるかもしれません。

【追記】5日、巨人は2名の育成外国人の獲得を発表

巨人が新外国人としてドミニカ共和国出身のイスラエル・モタ外野手(22)、レイミン・ラモス投手(22)を獲得することが5日、分かった。すでに条件は合意に達しており、育成選手として契約する。近日中に発表となる見込み。今季途中にそろって支配下登録を勝ち取ったアダメス、メルセデスマルティネスのドミニカン・トリオを成功例に、“外国人育成の巨人”としても戦略を徹底していく。


 巨人がまたも未来の原石を獲得した。右のスラッガー・モタと快速右腕・ラモスの若きドミニカン・コンビと育成契約を結ぶことが決まった。すでに条件面でも合意しており、近日中には正式発表となる見込みだ。

 モタは188センチ、75キロの長身から放つ長打が売り。13年からナショナルズ傘下マイナーリーグでプレーし、今年は地元のクラブチームでプレーした。特に14年に18歳で参加したドミニカサマーリーグでは、67試合で打率3割1分、8本塁打、47打点、14盗塁と走攻守の3拍子そろった所をアピールした。

 救援投手のラモスも、15年から今季までレイズ傘下マイナーに所属。17年には傘下1Aで28登板で4勝2敗6セーブ、防御率2・61をマーク。185センチ、86キロの体格から繰り出す150キロ超の動くクセ球で、打たせて取ることもできる。

 近年、巨人が継続しているドミニカ・トライアウトを勝ち抜いた2人だ。16年4月にはソリマン、アダメスを、17年1月にはメルセデス、マルティネスをそれぞれ発掘。巨人のファームでじっくりと育成し、それが実ったのは今季だった。6月にはアダメスが、7月にはメルセデルとマルティネスがそろって育成から支配下に昇格。アダメスは一時、守護神を務めるなど28試合で0勝2敗4セーブ、防御率3・94の成績を残せば、メルセデスは後半のローテの一角として、5勝4敗、防御率2・05と左のエース格に成長。マルティネスも初打席初本塁打の離れ業を成し遂げた。

 ドミニカン・トリオの活躍によって、今年のトライアウト参加者は例年より多く100人を超えたという。まず国際部の現地スカウトによるテストで十数人に絞った。11月には国際部の日本人スタッフが現地へ渡って“最終試験”を行い、日本の野球に適応する可能性を秘めた原石を原監督にも推薦。モタの映像を確認した指揮官は「スイングにクセがなくていい」と評価し、ラモスにも来日当時のアダメスより上という球団関係者の声もある。

【巨人】メルセデスに続け!育成でドミニカ2選手を獲得(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

 それにしてもここ2~3年で26~30辺りの中堅選手を一気に戦力外にしています。そしてドラフトでは高卒選手中心に指名を続けており、コーチ陣の若返りも図ったことからしばらくは我慢の年になるかもしれません。