読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

大城選手はコンバートすべきなのか。その問題点とタイミングは

 

 

 

巨人の大城卓三捕手(26)が4日、春季宮崎キャンプで2軍から1軍練習に参加することが決まった。

 昇格ではなく、練習に参加するという形。1、2軍は同じ運動公園内の別の球場で練習しているため、移動はスムーズにできる。

 大城は前日3日の「1軍対2軍」の紅白戦で2軍の先発捕手を務め、二塁打を含む2安打を放っていた。

 1年目の昨年は1軍で83試合、打率2割6分5厘、4本塁打、17打点。1軍捕手は阿部、炭谷、小林がいて激しい正捕手争いが繰り広げられている。

【巨人】大城が1軍練習参加 前日の紅白戦で2安打 : スポーツ報知

 

 

【大城選手の特徴】

 17年ドラフト3位にて巨人に入団。解禁年は自慢の打撃の調子が上がらず指名漏れとなるも。社会人3年目では地方予選で2試合連続ホームランを放つなど打撃でアピールし指名に至りました。元々守備に課題があり打撃が売りであることや、同時に2位で社会人捕手の岸田選手を獲得したことから、コンバート前提の指名ではないかと予想されました。しかし自慢の打撃とそれなりに守備でも守れることから2番手捕手として台頭。守りの小林選手に対し打撃の大城選手という形で使い分けられ、最終的には63試合202打数49安打4HR15死四球打率.265となっています。

【なぜコンバート論が議論されるのか】

【①:急募となる強打のライト】

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引用:読売巨人軍公式サイト

ライトで最多起用された長野選手が人的補償で移籍し、キャンプでの内容を見る限り今期のライトは陽・亀井・松原選手で考えているようです。しかし陽選手は守備範囲が武器のセンター向きであり、腰痛持ちで打撃も波があります。亀井選手も衰えからライトの守備範囲が狭くなっており、体力面は不安です。松原選手は巧打型でありながら守備難ということで、計算できるライトが非常に少なくなっています。

 この中で大城選手をライトにコンバートし、強打の左外野手として巨人が不足している打てる左打者とライトのレギュラー問題を解決しようというのがこの案です。

 
【②:捕手能力としての課題】

 大城選手の問題は捕手としての能力。強肩ではあるもののコントロールが悪くセンター前に投げてしまうことも珍しくありません。それでも起用された当初は盗塁阻止率は.270台でしたが、シーズン後半になってくると疲れが出たのか盗塁を簡単に許すようになり、最終的に.180台まで落ち込みました。いくら得点できる打撃があっても、それ以上に失点に絡んでしまえば意味がありません。

 一方で小林選手はリーグトップの.384。広島のように機動力で揺さぶるチームにはこの差は決定的なものになります

巨人のレギュラーシーズン全日程が9日、終了した。小林誠司捕手(29)は盗塁阻止率3割4分1厘でフィニッシュ。2位の阪神・梅野は3割1分5厘で残り2試合あるが、逆転は難しい状況で、小林のセ・リーグ1位が決定的となった。

 小林は昨年まで2年連続で盗塁阻止率1位。今年で3年連続となれば、巨人では60~62年に球団記録の3年連続1位となった森昌彦以来。今年の小林は、盗塁阻止率が明らかになった60年以降では、森以来56年ぶりの球団タイ記録となる。

 小林が捕手の時の相手の盗塁企図数(成功数+失敗数=盗塁を仕掛ける数)は16年が129試合で「73」、昨年が137試合で「50」で、今年は119試合で「44」。ルーキー捕手・大城の台頭で試合数は減ったとはいえ、他球団の捕手に比べれば、スタートを切られる数が圧倒的に少ない点では今年も健在だった。

 今年の阻止率は44―15で3割4分1厘。記録上は計29度成功を許しているが、完全セーフのタイミングで二塁に投げないプレーでも、阻止率の計算上では盗塁を許した、としてカウントされる。小林の肩を警戒し、相手が走るのは一か八かでスタートを切るか、完璧なスタートを切った時がほとんど。その中で3年連続の阻止率1位は投手の信頼が深まる好記録だ。

【巨人】小林、56年ぶり球団タイ記録の3年連続盗塁阻止率1位へ…セ3人目 : スポーツ報知

【③:出場機会の獲得】

 西武の和田選手が捕手として獲得されながらなぜ外野手にコンバートされたのか、それは打撃を活かすこともありましたが、当時の西武には伊東選手という不動の捕手がおり、捕手として試合に出られる機会は限られていました。また性格面から捕手向きでないことも首脳陣から指摘されていたようです。このため出場機会を得るために外野手にコンバートしました。

 大城選手も同様に捕手であるかぎり出場機会は限られます。その上守備に課題があるのでは二番手としても使い勝手が悪く、代打出場がメインとなっていました。ただ捕手にも関わらず大事な場面で代打で出されるというのは、それだけ打撃が期待されているということであり、外野は高齢化が進み若手外野手は俊足巧打型が多いため、一軍でも打撃結果を残す大城選手は出場機会が確保できます。

【コンバートするデメリット】

【①:足りなくなる1軍捕手数】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 現在の巨人捕手は小林選手を筆頭にFA加入の炭谷選手。そして大城選手・宇佐見選手・田中貴・岸田選手となっており、育成で高山・小山・広畑選手の3名となっています。支配下捕手は6名と決して多くはありません。小林選手は今年で30歳、炭谷選手も33歳になり衰えも考慮しなければなりません。比較的若い田中選手も控え捕手としては十分ですが、スタメンとなると特徴がなく物足りない選手となります。宇佐見選手もフリーパスが課題で岸田選手も1軍起用には壁があり、育成3名もまだ支配下になれるほどの実績はなく、捕手が一人でも怪我をすれば総動員状態になります。そのような状態で大城選手をコンバートすればさらに捕手は足らなくなるため、ドラフトやトレードで確保せざるをえなくなります。

【②:打てる捕手候補の消滅】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 大城選手の魅力はなんといってもその長打力。巨人は阿部慎之助という打てる捕手の存在が今も正捕手レギュラーの大きなハードルになっており、高い盗塁阻止力とキャッチング能力のある小林選手が正捕手として物足りないと感じるのも打撃面の問題です。その中で大城選手は打てる捕手として獲得され、その能力はロマンを感じさせるものでした。DHがないセリーグでは捕手の打順は打線の穴として認識されます。しかしこの能力を持った選手が正捕手になれれば、それはチームにとって大きな力となります。大城選手のコンバートはこのロマンを奪い去ることを意味しています。

【③:捕手だからこその期待される数字というジレンマ】

  大城選手をコンバートすべき論調は、彼の捕手としての守備能力の課題と打撃を評価した形となっています。それは捕手はポジションのなかでも守備負担が大きく、比較的負担と難易度が下がる外野に移ることで守備負担や守備への練習割合が減り、打撃がさらに伸びるといった根拠によるものです。

  しかし大城選手の打撃成績は捕手として見るからこそ魅力的な数字であり、これが打撃が求められる外野手となれば、果たして期待できる数字かという問題です。コンバートしたからといって打撃が確実に伸びるわけではなく、足が遅い大城選手は外野になっても守備貢献はあまり期待できず、より打撃成績が求められます。現在の成績は202打数49安打4HRで打率.265と捕手としては魅力ですが、外野手なら物足りない数字です。大城選手のコンバートは打撃成績のハードルが上がるため、これ以上の成績を残さなければならないことを意味しています。

【コンバートのタイミングは?】

 仮にコンバートするとしてタイミングとしてはいつか。コンバートするならば最低1年は2軍漬けになるため、1軍捕手がぎりぎりの19年は現実的ではありません。一方で19年ドラフトは大卒捕手に目玉選手が多く、早くからスタメン起用されていた慶応大・郡司 裕也選手に打撃評価の高い立大・藤野 隼大選手。そして強肩の 東海大・海野 隆司選手。社会人については解禁済選手の中で即戦力として起用できそうな選手はいまのところ少なく、狙うなら大卒になりそうです。

 このため今年はコンバートの可能性は低く、あるとしても内野手の離脱により総動員のためファーストとして起用する程度のものです。大城選手のコンバートが実施されるかどうかは今年のドラフトで捕手を獲得するかどうかが判断ラインになってきます。