星稜・奥川恭伸投手(3年)と小学生時代からコンビを組む山瀬慎之助主将(3年)は、動揺を認めた。
サイン伝達への疑念に加え、習志野の大音量の応援にも影響を受けた。「サイン盗みみたいなのを気にしすぎた。(応援で)全くベンチの声も聞こえず雰囲気が違った。(奥川も)焦りが出て、投げ急いでしまったんじゃないか。奥川のおかげでここまで来れた。恩返しとして自分も援護して必ず全国制覇したい」と夏を見据えた。
【山瀬選手の紹介】
176センチ83キロ 右投げ右打ち
ポジション:キャッチャー
遠投120mの強肩と低い軌道のスローイングが武器。他の捕手よりも下がった位置でグラブを構えるが、それでも捕殺能力の高さから石川大会では3盗塁しか仕掛けられなかったほど警戒されています。
またブロック能力も高く、エースの奥川選手は大きく変化するスライダーやチェンジ・フォークと縦の変化球を多投するため、調子が悪いと結構なバウンドをすることもありますが、それを大きく逸らすことなくブロックしており、奥川選手を守備面でも支えています。
【指名への課題】
打撃については通算1本とあまり長打は期待できず、ミート能力自体もあまり高くありません。変化球に上手くあわせて打つことは得意ですが、速球には押し込まれるところもあり、5番こそ打っていますが打撃評価は今季の高卒捕手の中ではあまり高くありません。あまり足を上げないすり足フォームのため、変化球にはある程度対応できていますが、勢いのあるストレートには押し込まれてしまう面があります。
捕手能力についてはスローイングの精度にはまだ課題があり、ブロック能力は高く評価されていますが、キャッチング自体は平均的なレベルです。今季ドラ1候補筆頭の奥川選手と組んでいるのがマイナスに働いている面もあり、コントロールがいいため大きく逸れる球が少なく、キャッチャーとして守備能力・リード面でエース投手がいい分アピールが足りていない状態となっています。
【指名順位予想】
高卒野手は守備がよほど壊滅的でない限り、守備能力よりも打撃能力のほうを優先的に評価されます。特に高卒捕手は打てることを期待されての獲得が多いため、高卒での守備型はあまり高い順位での指名は期待できません。
また今季は高卒捕手の指名候補が多いため、強肩であるものの打撃に課題のある山瀬選手の指名優先度は低くなります。このため指名順位は7~9位の下位指名となります。即戦力守備型捕手としての方が上位を狙えるため、プロ志望を出さない可能性もあります。