全日本大学野球連盟主催の冬季トレーニング第2日は7日、川崎市のジャイアンツ球場室内練習場で行われ、右横手投げで注目されている東洋大・山下雅善投手(3年)が同タイプで巨人で活躍した鹿取義隆氏(前巨人ゼネラルマネジャー)から新種のシンカーを伝授された。
近鉄や南海で活躍した山下登投手(故人)が祖父という山下は、自身でもシンカーを投げてきているが、「そのまま投げれば落ちる感じの新しいボール。左打者を押えるのに使えれば」とアドバイスによる好感触を表した。
昨秋、東洋大は3季連続リーグ優勝を狙ったが達成できなかった。それもドラフトで上茶谷大河投手がDeNA1位、甲斐野央投手がソフトバンク1位、梅津晃大投手が中日2位と先輩3右腕がプロに進む強力投手陣があっても成し遂げられなかっただけに、2季ぶりの“戦国東都制覇”めざす東洋大にとって、最速143キロの山下が『新球』マスターによることで主戦に躍り出てくるかもポイントの一つになりそうだ。
【山下選手の紹介】
178センチ74キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・シンカー
セットポジションからインステップ気味に踏み出しテイクバックの小さい横手投げの腕の振りから最速143キロ、常時130前半のストレートを投げ込む右腕投手。東洋大では主にロングリリーフで起用されており、ストレートと変化球が同じ軌道で向かってくることから、多少甘めに入っても打ち損ねて凡打として打ち取ります。
特に右打者に対しては打者に向かって踏み込んでくるようなフォームから打者に向かって変化するスライダーを投げ込むため右打者は踏み込めず、甘めに来た球も見逃してしまっています。
2018/4/26 山下雅善 (東洋大学) 3年春 サイドスロー
【指名への課題】
やはり右腕サイドスローの課題である左打者への対応はまだ完全とはいえません。基本はアウトコースへの攻めとなっていますが、全体的に高めで危険なコースに集まっています。3月に前巨人GMの鹿取氏より縦のシンカーを習い対左打者への変化球として習得を目指しているようですが、まだ投げきれておらず武器とはできていません。
また右打者に対しては踏み込みようなフォームのためアコースに安定して投げられるコントロールがあれば強力な武器となりますが、決してコントロールが精密というわけではなく、全体的に球がばらけています。インコースへの球は運よく決まった球というものが多く、サイドスローとしてはコントロールが課題となります。
【指名順位予想】
リリーフとして獲得を見込むならばコントロールのばらつきが問題となり、球速で空振りを奪えるタイプでもないため現状ではフルカウントになることが多く、どうしても四球が多くなっています。
また左右どちらかに絶対的な数字を残せているわけでもなく、ワンポイントタイプとしても指名に至る大きな武器を持っていません。このため今期では指名漏れの可能性が高い選手となっています。指名に至るにはロングリリーフでなく、先発としての実績が必要になります。