読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

ドラフト戦略に考慮すべき巨人のチーム事情の変化について【8月時点】

 ドラフト指名を考える上で非常に重要になるのがチーム事情。どのポジションを補強すべきか、またシーズンオフごろからチーム状態にどのような変化が生じたかを考慮したうえで指名予想を考える必要があります。

 

 【ポジティブポイント】

【①:桜井選手の先発ローテ定着】

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引用:読売巨人軍公式サイト

ドラ1ながら一年目から故障。そして東大戦で炎上と悪い話題が続いた桜井選手。その後も中継ぎ起用はされるも定着とはいきませんでした。
そんな中先発ローテ不足から西武戦で先発として起用されると、そこからあれよあれよと結果を残し安定したローテ選手として定着するまでに至っています。

 

 

【②:中継ぎ陣の整備】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 中継ぎの薄さがかねてからの課題だった巨人。そこで宇佐見・吉川選手とのトレードで鍵谷・藤岡選手を獲得。藤岡選手は二軍で防御率五点台とまだまだですが、鍵谷選手は当初の予測を覆し、パワータイプ中継ぎとして中継ぎの一角として定着。ランナーがいる場面で出さなければ安心できる戦力となりました。巨人に不足したいたパワータイプ中継ぎが補強できたことで澤村選手にも好影響があり、劇場型とされた澤村選手が勝ちパターンの一人になるまでとなりました。
 また長く二軍暮らしだった大竹選手もロングリリーフ枠として昇格すると、コントロールのよさと右打者へのシュートを武器に満塁時を任せられるほどに評価アップ。
 そしてクック・マシソン選手の不調から途中に獲得されたデラロサ選手。投げていくごとに安定感がまし、155超えのストレートをコースに投げ込み、140台のキレのあるスライダーで空振りを奪い中川選手故障後に守護神として定着しました。
 田口・高木選手も左の中継ぎとして計算できるようになり、中継ぎ問題はひとまず底を抜けた状態にはなりました。
 

 

【⓷:トレードによる先発候補の獲得】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 楽天とのトレードにより和田恋選手を放出。古川選手を獲得しました。巨人としては先発候補としての獲得であり、2軍で4番に座るほどの打力はあったものの、ポジションが岡本選手と被り、守備があまりうまくない和田選手は使いどころに困る選手でした。現在の巨人は2軍の先発も足りておらず、2軍で投げさせながら将来の先発として見込む先発候補は補強ポイントの一つでした。それを補強できたことでほかのポイントを優先的に補強することができます。

 

【④:山下航汰選手の活躍】

  高校通算75本塁打スラッガーながら低身長、守備難からまさかの育成契約となった山下選手。しかし和田・松原選手の故障により2軍に昇格するとあっという間に2軍クリーンナップに定着。頭部死球により打撃低下を懸念されるも、打率.347でイースタントップを維持しています。守備面からまだ1軍起用には至っていませんが、左のスラッガー候補が若手から出てきたのは好材料となります。

 

【ネガティブポイント】

【①:16年支配下ドラフト組の相次ぐ離脱】

 セカンド候補であった吉川尚選手が腰痛により今期絶望。まだバットも全力で振れていません。さらに2位の畠選手はまた手術を行いリハビリ組となっています。

 谷岡選手に至っては関節唇の故障によりスローイングすらできず、保存療法をとっていますが選手生命の危機ともいえる状態です。4位の池田選手も2軍と3軍を往復しており1軍戦力として計算できていません。まさかの1位~4位が戦力として計算できないという異常事態となっています。これが先発・中継ぎともに戦力不足の原因の一つとなっています。

長く暗いトンネルを、歩いている。3年目右腕・谷岡竜平(たっぺい)投手(23)は現在、「右肩関節唇の損傷」からの復帰を目指し、ジャイアンツ球場でもがいている。

 「悔しいですね。(自分に)腹が立つし。何やってるんだろうって。先が見えないので、不安が大きいですね」

 右肩に痛みが走ったのは、今春のキャンプ直前。1軍スタートが決まっており、宮崎での合同自主トレ中にブルペン入りしたときだ。成立学園高や社会人・東芝時代も故障は一切なかったという谷岡。人生で初めてぶつかる大きな壁だ。

 一時はキャッチボールを行っていたが、現在ではネットへの送球練習が限界。「(状態に)波がある」というように、一進一退の毎日だ。朝、目が覚めると、まずは患部のチェック。寝返りをうった際に痛みで起きてしまったり、歯を磨こうと右肩をあげるだけでズキズキと痛んだりする時期もあったほどだ。

【G戦士の素顔(8)】右肩痛からの復帰目指す谷岡「悔しい」日々の中にあるプラス - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)

【②:1軍先発候補不足】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 現在1軍先発は菅野ー山口ーメルセデスー桜井ー高橋ー今村選手を中心に間をヤングマン・野上・高田選手と試しながら回している火の車状態。そんな今村選手も現在は2軍調整。このため不調の先発ローテ選手を調整させることが出来ず不調のままずるずると投げさせている状態です。このため途中降板することも多く中継ぎへの負担が大きくなっています。

 2軍先発も坂本工ーヤングマンー高田ー大江ー戸郷選手を中心に横川・沼田選手といった1年目選手を試しながら回している状況。このため2軍から上げられる先発もおらず、山口選手が離脱したときは先発ローテが崩壊しました。ヤングマン選手も現在の状態を考えると今年で戦力外の可能性が高く、そうなればなおさら先発候補は少なくなります。助っ人先発の獲得はあるにせよ、1軍で投げさせられる先発候補の獲得が急務となっています。

 

【⓷:定着しないセカンド】

 吉川尚選手の台頭で解決したかに見えたセカンドスタメン問題。しかし腰痛が治らず今季絶望。さらに腰痛が長引くならセカンド起用自体も難しくなってきます。

 そんな中現れた17年6位の若林選手も打撃こそ結果を残したものの、それ以上に目につくのがセカンドでのエラー。なんでもないゴロをイージーミスしてしまうため、打撃が不調になればとても起用できるものではありません。来年はサード、もしくは外野での起用の可能性が高くなります。2軍でもセカンド起用されているのは田中俊太・マルティネス選手が多く、大卒セカンドの獲得の必要性が出てきています。

 

【④:やはり薄い中継ぎ】

 ポジティブポイントに上げた中継ぎ事情。ですが底を脱しただけで中継ぎ事情はまだまだ解決していません。計算できる中継ぎ自体が少ないため、勝ちパターンでも負けパターンでも投げる投手が被っており、どうしても負担が大きくなっています。

 

 2軍から上げられる中継ぎ候補は故障により調整中の戸根選手や登板が遠ざかっている田原選手、中継ぎとして可能性を見せたが上げると2軍先発が火の車になる高田選手と年齢により無理はさせられないマシソン選手といった程度。今年のドラフトでは中継ぎ候補の獲得は必須となっています。

 

【まとめ】

先発候補・即戦力先発・中継ぎの補強は必須。また和田選手をトレードしたことで右打ち外野手獲得の可能性も出てきています。

現状では投手4人、高卒捕手1人、高卒・大卒内野手1人、外野手1人の7名を支配下で指名と考えています。