1点を勝ち越した10回、ヤマハ(浜松市)のマウンドに上がったのが西濃運輸から補強の堀田晃(25)。140キロ後半のストレートでグイグイ押して、自身初の150キロもマーク。三者凡退に抑えて“セーブ”をマークした。
「きょうはマウンドでも冷静で、ネット裏の人の顔もしっかり見えました。補強してくれたヤマハに恩返ししたいし、きょうは観衆も多くて楽しんで投げれました。初めて150キロも出ましたし」人懐っこい表情で堀田は自己新の球速に手応えをつかんだ。そして「まだプロもあきらめてませんし、残り5試合いつでも投げるつもりでいます」と意欲満々で話していた。
【堀田選手の紹介】
堀田 晃 (西濃運輸) 150キロ【第90回都市対抗野球大会】ヤマハの補強選手として好投 プロ注目!2019.7.14
180センチ85キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ・カットボール
解禁年:2018年
セットから最速150キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。ストレートを中心に緩い変化のスライダーでタイミングを外し空振りを奪い、フォークのように落差のあるチェンジアップで仕留めます。
大阪学院大時代には通算防御率1点台で4年生時には最優秀投手・ベストナインを獲得。先発候補として期待されプロ志望届を提出するもまさかの指名漏れ。西濃運輸に就職後も先発として起用され着実に実績を重ねました。
しかし2年目となる都市対抗においてJR東日本戦では先発として起用されるも、球速は最速144キロ止まりであり4回2失点で足をつり降板。試合も負け不本意な結果となりました。それでも予選での先発実績から下位での指名の可能性がありましたが、まさかの2度目の指名漏れ。そんな3年目は先発だけでなくリリーフとしても起用されており、先発だけでなく中継ぎとしての指名の道を模索しています。
【指名への課題】
理想としては先発候補としての指名ですが、現状の評価では先発として計算するのは難しくなっています。その原因が先発時の球速と変化球です。中継ぎ時は平均145~149キロをコンスタントに出せていますが、先発時はスタミナをセーブするため球速が140前半台にまで落ち込みます。さらに変化球の球種自体あまり多いほうではなく、スライダーが8割、チェンジアップが2割といった配球が、ランナーが出るとスライダーにさらに偏ります。
このためランナーが出るとストレート・スライダーばかりになり、球速も140前半と社会人右腕としてみるには決して速いほうではないため、先発では二巡目から捉えられることが多く要する球数も多くなっており、先発としては計算できません。
ならば中継ぎとしてはどうかですが、こちらも球種の少なさがネックとなります。回の頭から出すならばストレート押しで何とかなりますが、ランナーが出た状態で火消しのために出すと球速が落ちチェンジアップもあまり決まらずストレートを狙い撃ちされています。
【指名順位予想】
先発としての指名の可能性は低く、あるとすれば中継ぎとしての獲得となります。ただ中継ぎとしてみるにも球種の少なさがネック。持ち球の一つのカーブの割合をもっと増やすかツーシームを覚えストレートを活かしたいところです。
このため今年も指名があるかどうかが微妙なラインであり、解禁済でありながら即戦力とは言い難いため、8~9位といった下位でも下になる指名順位を本人が受け入れるかどうかになります。