2020年に向けた巨人選手の新たな取り組み、課題解決について情報を挙げていき、来季の巨人選手についての球団戦力の把握や期待をあげていきたいと思います。ただし来季10勝、30本塁打のような目標は対象に含めません。
ちなみになぜ投手だけかというと、野手についての自主トレ情報などを確認しましたが、どの選手も「いいところを吸収したい」「意見を聞きたい」というコメントばかりで具体的な課題解決についてのものがなかったため、投手が中心となっています。
【支配下投手編】
【今村 信貴選手】
【①:カットボール習得】
今季はわずか3勝。先発ローテ奪取へ向け、課題の一つにスライダーの質の向上を掲げる左腕は、秋季キャンプ中に球団スタッフの勧めで、カブスのダルビッシュ有投手(33)のYouTube公式チャンネルの動画「野球経験ない人でもほぼ投げられるカットボール講座」を見て研究。「理想に近づけた」と手応えをつかんだ。
速くて小さい 今村の球種は直球、シュート、フォーク、スローカーブ、スライダー。スライダーは球速120キロ台前半で大きく曲がるが、理想はカットボールのようにスピードが速く、曲がりが小さい変化。「今まで直球とカーブしか投げてこなくて、カーブのイメージがついて、投げる時に手首をひねってしまう。それをできるだけ(手首を)立てて、カッと(手首を縦に)切るように投げたら良くなった」
来季で8年目となり戦力となることが求められている今村選手。しかし1年を通して計算できた年は少なく、今年も17試合登板で3勝2敗防御率4.08といまいちな年となりました。
これまでは内海組で自主トレをしていましたが、今年は内海組から卒業。若手を引っ張っていく立場となりました。そんな結果が求められる今村選手の新たな取り組みはカットボールの習得。今村選手の武器の一つがスローカーブやスライダーといった変化量の大きい変化球。一方であまり球速がないためぎりぎりまで見られてしまい、四球先行で崩れるのが今村選手失点のパターンでした。
そこで新たな変化球としてカットボール習得に着手。曲がりが小さく球速の速い球で新たな攻めパターンの確立を目指します。習得方法がダルビッシュ選手のyoutubeチャンネルというのが時代を感じますが、結果習得できればよいのでそこは見守りたいと思います。
【高橋 優貴選手】
【①:新球取得】
巨人の高橋優貴投手(22)が29日、今オフのテーマを「新球探し」に定めた。
プロ1年年目は先発ローテの一角を担い、18試合で5勝7敗、防御率3・19と躍動。ルーキーながらCS、日本シリーズでも大事な一戦を託された。試合中は他の投手を見ながら「自分もこういう球もあれば」と思い、今オフは更なるレベルアップを目指す。
現在持っている球種は直球の他にカーブ、スライダー、スクリューの3種類。「落ちる系や、速くて小さく曲がる球が投げられたらいいなと思うので、色々投げてみて感触を試したいです」と、フォークやカットボールなど新球の取得に挑戦する意向を示した。
23日に全シーズンを終えてから地元へ帰省するなど5日間の休暇を十分に取った。この日は「体を動かさないと気持ち悪くて」と、G球場でダッシュやネットスローを行い汗を流した。来季は勝負の2年目。「色々データも出ていると思う。モイネロみたいなパワーカーブとか、今持っている球種も強化したい」と意欲を燃やした。
現在高橋選手が保有する変化球はスライダー・カーブ・スクリューの3種類。特にスクリューが決め球となっています。一方で空振りを取る球は多いものの芯をはずしてゴロを打たせる球が少なく大きな変化量を持った球が多いため、いいコースに決まらないと見逃されボールになることも多く、それが四死球の多さにつながり球数の多さ、そして6回までもたない問題につながっていました。
そこで今オフでは詰まらせる小さく変化するカットボール、さらに140中盤を出せるストレートをさらに活かすためのフォーク取得に挑戦を表明しています。
【②:二段モーションの封印】
巨人の高橋優貴投手(22)が26日、来季は2段モーションを“封印”する考えを明かした。G球場でキャッチボール、ネットスローなどで汗を流した左腕は「フォーム自体に入れないでやってみようかなと思います」と話した。
1年目の今季は入団当初から、上げた右足をゆったりと上下させて投球してきた。4月こそ4試合に登板し2勝1敗、防御率1.93と好投したが、5月は4試合で1勝2敗、防御率4.71。6月は登板なしに終わっている。登録抹消後、水野コーチらの意見を聞き、大学時代のフォームに戻した。一段階でスムーズに右足を上げることでバランスが良くなり、直球に力強さが戻った。8月11日に3か月ぶりの白星を挙げ、その後もローテを守った。
また、同17日の阪神戦(東京D)で梅野、近本に三盗を許すなど盗塁でピンチを広げたことが多かっただけに、盗塁を減らすこともテーマに掲げた。「三盗は自分の隙を突かれているところが多い。オフは野手に聞いたり映像を見たりしていきたい。それをなくしていかないと勝てる投手になれない」。2段モーションより投球のテンポも上がり、セット時にフォームに大きな変化が出ないメリットもある。一層の飛躍へ向け、課題を一つずつ潰していく。
高橋の選手の課題であったセット時のコントロールの悪化。元々二段モーションフォームでしたが、2軍抹消後水野コーチの指導で二段モーションを止めストレートの球威が復活し再び1軍ローテに入りました。
ただセット時にコントロールが乱れる点は改善できておらず、その点が先発としての不安定さにつながっていました。そこで二段モーションを完全に封印し、さらに投げるまでにかかる時間も短くすることでセット時にも大きくコントロールが乱れることを防ぐ目的のようです。
【田口 麗斗選手】
【①:カットボール習得】
巨人田口麗斗投手が新球カットボールを習得する。今季は先発2試合を含む55試合に登板し、3勝3敗1セーブ、防御率4・13とフル回転。現状、来季の起用法は未定だが、今季の対戦打率が2割1分7厘の右打者に対し、2割5分2厘だった左打者封じのため、新たな球種に取り組む。「スライダーもありますけど、真っすぐに近い、速く、小さく曲がるカットボールで芯を外せれば」と説明した。
一流の使い手から極意を授かった。世界一を達成したプレミア12でチームメートだったオリックス山本由伸投手に、握りやリリース時の意識などを質問。自らの感覚を加えながら、習得を目指す。「先発なら、菅野さんみたいに『田口がいけば大丈夫だ』と。中継ぎなら、山口鉄也さんみたいに60試合を。ただの何でも屋になりたくないので」と決意する来季に向け、貪欲にチャレンジする。
今季中継ぎとして起用され55試合に登板。ストレートタイプピッチャーにタイプチェンジし貴重な左の一角として存在感を示しました。
来季は山口選手がメジャー移籍したことで先発ローテが薄くなっており、田口選手は先発起用を希望しています。その中で新たな武器として習得を目指しているのがカットボールとなります。
田口選手の対左はストレートとスライダーが大半となっており、スライダーが入らないと対左は苦しい投球となっていました。先発時と比べストレートの球威が上がっている部分もあるため、ストレートを活かすための変化球としてカットボール習得を目指しています。元々変化球の引き出しの少なさが課題であったため、変化球数が増えれば先発としての投球の幅を広げることも期待できます。
【戸根 千明選手】
【①:さらなる可動域の向上】
巨人の戸根千明投手(27)が5日、都内の球団事務所で契約更改に臨み、500万円増の2000万円でサインした。(金額は推定)
5年目の今季は開幕1軍スタート。貴重な左腕リリーフとしてブルペンを支えていたが、5月末に右脇腹を痛め出場選手登録を抹消された。7月26日に再昇格したが、左肘内側の痛みを発症し8月に再び抹消。26登板0勝1敗、防御率1・99をマークした。来季を開幕から万全な状態で迎えるため、9月に左肘関節のクリーニング手術を受けた。
リハビリも順調。今オフはやり投げ選手の練習を研究。滑車でやりを投げる様な動作を行い、体全身を反らすトレーニングを取り入れる予定。「やり投げの選手はブリッジをやっていると聞いた。遠くに飛ばすためには前進の胸郭の柔軟性とか、全身のしなりを大事にしていた。全身を反らすトレーニングは間違いなく野球に生きる」と説明。昨オフには四股や水泳を取り入れ、体全体が柔らかくなった。「色々な所から視野を広げて、自分の体に生かしていければいい」と話した。
1年目をピークにその後は伸び悩んでいた戸根選手。そんな戸根選手は去年柔軟性や可動域の向上を目標に自主トレに励んだ結果フォームの動きがよくなり制球と球威が向上。一時セットアッパーになるも故障により2軍抹消。その後リハビリでシーズンを終えました。
そんな戸根選手はさらなる可動域の向上を目標にやり投げ競技のトレーニングを敢行。体のしなりや柔軟性向上を目標としています。
【中川 皓太選手】
【①:落ちる球の習得】
今季は投手陣で唯一、離脱がなく、チーム最多の67試合とフル回転し、リーグ優勝に貢献した。シーズン序盤はポジションを固定せず、「一番、強い場所」(原監督)で登板。相手の打順、状況を見極めながらの起用で「ポリバレント・クローザー」の新語も生まれた。4勝3敗16セーブ17ホールドと万能に応え、防御率2・37と安定した。
新たな武器の習得にも着手する。プレミア12で侍ジャパンに初選出。DeNA山崎からツーシーム、今永からはチェンジアップの握りとリリースなどのイメージを聞いた。「来年は研究してくると思うので、上回るにはいずれは必要になってくる」。今オフも菅野と自主トレの予定で、軸球の直球、スライダーとともに落ちる球にも取り組む。
今季腕を下げたフォークにチェンジしスライダーの切れが向上。一時はリリーフとしても起用され今季大きな飛躍を遂げました。ただ決め球のスライダーに頼りすぎた部分も多く、シーズン後半からスライダーを徐々に見切られるようになっており、そこから崩れることも多くなりました。このため来季はスライダー以外の変化球習得が課題となっており、その中で縦の変化球としてチェンジ・ツーシームの習得を目標としています。
【鍬原 拓也選手】
【①:サイドスローフォームの確立】
17年ドラフト1位で入団したが、3年目の今季は中継ぎで15試合の登板にとどまり、防御率は4・74。「非常に悔しいシーズンでした。思うような結果が出なかった」と悔やんだ。来季の背番号は「29」から「46」に変更。先発再挑戦を希望し「前向きに、新しいスタートだと思ってます」ととらえた。
秋季キャンプからサイドスローに転向し、オフの自主トレはエース菅野とともにハワイで行う。「『サイドスローになったら手首を絶対寝かしてはダメだから、それを意識して自主トレやろう』と言われました」と貪欲に吸収していく考えだ。
巨人・サイドスロー転向の鍬原拓也 初実戦で三者凡退 巨人ーソフトバンク 練習試合 9回 2019年11月14日
17年ドラフト1位で入団ながらもなかなか結果を出せていない右腕投手。かねてからの課題がコントロール。特にセット時になると目に見えて悪化するため、これが先発として計算できない理由でした。
そんななか秋季キャンプで原監督より制球向上のためにサイドスロー試投を提案され、その後のソフトバンクとの練習試合ではサイドスローで登板。アマチュア時代にサイドスローだったこともあり、見事三者凡退と結果を残したことで今後もサイドスローを確立していくようです。大きなフォームチェンジはさらなる悪化の可能性もありますが、すぐにでも結果を出さない厳しい立場に置かれているのは間違いなく、来季は首がかかった1年となります。
【戸郷 翔征選手】
【①:シュートの取得】
巨人戸郷翔征投手が大竹流シュート取得にチャレンジする。
10月の日本シリーズで登板した際、内野ゴロを打たせる変化球の必要性を実感。「相手が一番嫌がり、いつでも使える球種だと思うので、持っておくだけで相手が怖がるかな」。理想として挙げたのが大竹のシュート。体重増のためのラーメン屋探しで弟子入り志願した先輩右腕から、新球種も学ぶ。
戸郷選手の持ち球はスライダー・カーブ・スプリット・カット・チェンジアップと多彩な変化球を持っており、その中でもスライダーとスプリットが持ち球となっています。この2球種でU-18代表の根尾選手や藤原選手といった代表左野手を手玉に取りましたが、一方で右打者には攻めに苦慮していました。それはプロ入り後も課題となっており、右打者に対しては使える変化球が限られていました。
そこで大竹選手が右打者に詰まらせるために使用するシュート習得に挑戦。右打者のインコースを突ける球が出ればスライダーもいきてくるため、右打者への攻めに大きな幅が出来ます。
【②:食トレによる体重増】
その第一歩は、強じんな肉体を手に入れることから始まる。山口との自主トレでは、大量に食べることも練習の一環。「『死ぬ気で来い』と言われたので、必死についていきたいです。もともと食べないタイプなので…」と恐怖を口にしつつ、「球威、球速が上がれば勝てる確率も高くなる。(球速の)大きな目標は160キロ」と頼もしかった
戸郷選手の体重は現在73キロ、高卒1年目ということを考慮しても体の細さが目立ちます。先発として計算するためには筋力アップ、スタミナ増は避けられない課題であり、戸郷選手自身も体の細さを自覚していたことから、自主トレは山口選手に同行し食トレを掲げています。本人目標は5キロ増の78キロ。ただ食べるだけでは体の切れがなくなってしまい怪我にもつながるため、トレーニングと両立し筋肉を作ることでの体重増でなければなりません。
【横川 凱選手】
【①:ストレートの球速アップ】
今オフは今村、高橋とともに自主トレを行う予定。「1軍を経験している方なので、自分にはどこが足りないか、逆にどこに自信を持てばいいか、1軍レベルから見た自分を学んできたい」と話した。秋季キャンプのメンバーにも選ばれ、来季への課題は直球を挙げる。「ずっと1年間ストレートを磨くことが課題でした。スピードは150キロを目標にして、バッターの反応を見て、ストレートで押せる強さ、質を求めてやっていきたい」と言った。
1年目から2軍先発として起用され、期待の若手として台湾WLにも派遣されました。その中で目立った課題がストレートの球威のなさ。スライダー・カーブで打ち取れている一方、ストレートに迫力がないため攻め方がどうしても限られてしまっていました。
素材型としての要素が強い横川選手ですが、2年目に向けて何かしらの成長が求められることは間違いなく、今回よりオフトレリーダーとなった今村選手のグループで自主トレを予定しています。
【育成投手編】
【田中 優大選手】
【①:シンカーの習得】
来季は育成3年目。支配下登録へ節目の年となるが、新たな球種の習得にも努めている。引き出しを増やし、来季を迎えるつもりだ。
「左打者の内角に投げるのが苦手。引っかけてしまうんです。そこを改善しつつ(左打者の)外に逃げるシンカーを投げていきたい。今は練習中なんですけど、もう少しまとまりが出てくればいいのかなと。鋭く速い変化でゴロを打たせたいということで練習しています」
【巨人】150キロサイド右腕・田中優大はまだまだ成長中「将来は抑えに」 : スポーツ報知
2年生まで外野手ながらも投手転向1年で注目候補となった身体能力投手。お化けスライダーといわれるほど変化量が大きいスライダーがが武器のサイドスローですが、一方でコントロールの粗さが課題となっていました。
さらに今年は体つきが変わったことでフォームを崩しコントロールがさらに悪化しています。このため来年はフォーム安定とコントロール向上を目標としていますが、さらなる変化球としてシンカー習得も掲げています。サイドスローの多くは左打者への攻めが課題とされており、どうしてもサイドスロー右腕はワンポイント起用が多くなっています。
サイドスローは縦に落ちる球が投げにくいフォームとされており、その中でサイドスローでも投げやすい落ちる球がシンカーとなります。ただフォーム固め中でまだ体も細いことから、先にそちらを完成させてからシンカーの本格習得になると思われるため、今年1年で習得できないことも頭に入れて応援していかなければなりません。
【山上 信吾選手】
【①:五十嵐フォームの定着】
育成2年目右腕の山上信吾投手(20)は来季、節目の3年目を迎えるに当たりフォーム改良に着手する。課題の制球力向上へ、オーバーからヤクルト・五十嵐、元ソフトバンク・摂津のような“担ぎ投げ”に挑む。フォーム固めのため、フェニックス・リーグにも行かずG球場で黙々と投げ込みを行う右腕は「五十嵐さんが出した158キロ」を目標に据え、支配下登録をつかみとる決意を示した。
素材型として17年育成2位で入団した高卒投手。1年目から肘の故障に悩まされリハビリに半年を要するなど順風満帆ではなかった道のり。しかし高卒時代は最速146キロだった球速が現在は152キロまで伸びており、成長の兆しは見せています。
そんな山上選手の新たな取り組みがフォーム改造。これまでは投げ下ろすオーバースローだったのを五十嵐選手を参考にした担ぎ投げフォームへとチェンジ。上半身をそらしながらスリークォーターよりも上の角度から投げる独特なフォームであり、杉内コーチと共同で158キロを目指しフェニックスリーグにも帯同せずフォーム固めを続けています。