巨人は24日、東京都稲城市にファーム用の新球場を建設するため、同市の南山東部土地区画整理組合(森俊勇理事長)と土地売買予約契約を締結したと発表した。
今後、関係機関と調整を進め、2021年3月末に着工し、23年3月末の完成を目指す。
用地は、川崎市多摩区のジャイアンツ球場から近い稲城市の4万1900平方メートル。新球場は中堅122メートル、両翼99メートルで、天然芝のグラウンドにLEDナイター照明6基が設置される予定。完成後、現在のジャイアンツ球場は主に三軍のグラウンドとして使用される。
巨人は今季から三軍制を導入し、若手の底上げに力を入れている。一方で、二軍も使うジャイアンツ球場が手狭になり、練習環境が十分ではなくなった。新球場の建設により、チームの競争を活性化させ、世代交代を進める狙いがある。また、天然芝の観客席や新たな商業施設も併設することで、都民に憩いの場を提供する「TOKYO GIANTS TOWN(仮称)」とする構想も掲げている。
巨人の久保博球団社長は「新球場は、選手の育成と強化に取り組む場であるとともに、地域の方々が集い、野球を楽しんでもらう場所にしたい。関係機関の理解を得ながら、TOKYO GIANTS TOWNでスポーツの振興による新しい街づくりに貢献したい」との談話を出した。
TBS番組「バースデイ」でも取り上げられましたが、現在の巨人3軍は2軍選手が出勤する前に早朝に練習、2軍選手が練習を始めると球場外で練習という、決していい環境とはいえない状況で練習しています。また練習試合もバスでの長距離移動がメインであり、なかなか練習に時間を割けないところがありました。
また3軍編成で育成選手の数が増えていることもあり、一人辺りの練習スペースも狭くなっているのでしょう。記事にも「二軍も使うジャイアンツ球場が手狭になり、練習環境が十分ではなくなった。新球場の建設により、チームの競争を活性化させ、世代交代を進める狙いがある。」とあったことからも想像できます。
今年SBがファーム用新球場を完成させたこともあり、巨人も本腰を入れてきたということでしょう。近くに商業施設も作り新規顧客の獲得も目指すようです。ただホークスタウンが顧客獲得が伸びず今年解体されていることも踏まえ、その二の舞にならないようしてもらいたいものです。
球場完成は7年後とまだまだ先の話ですが、この球場が完成すれば2・3軍の練習試合の幅もより広げることも出来るでしょう。東京の中で最新の天然芝で試合が出来るとならば、これまでの独立リーグだけでなく、様々な大学や社会人野球との練習試合の機会も増やせますし、その中で隠れた選手を発掘することも出来ます。
一方で運営維持の面には不安も残ります。天然芝の維持には非常に手間と費用がかかります。巨人が使わない間、社会人や大学野球のチームに貸すという手もありますが、使用後の整備費を考えると、安価に貸すというのも難しいところです。
ただ球団のファンとしては、育成に力を入れてくれるのは有難いことです。そこは素直に喜ぶとしましょう。