巨人のドラフト1位・吉川尚輝内野手(21)=中京学院大=が24日、「由伸超え」を宣言した。由伸監督は新人の1998年に平成以降の新人で最多の140安打を記録。岐阜・中津川市の中京学院大中津川キャンパスで指名あいさつを受けた吉川は「単打を打って、盗塁というのが自分の中ではベスト。(由伸監督は)投手の右、左に関係なくコースに逆らわず、簡単に打てることがすごいと思う。僕もそこを目指してやっていきたいと思う」と誓い、新人王だけでなく将来的なタイトル総なめを目標に掲げた。
そして「ゴールデン・グラブ賞であったり、盗塁王、首位打者といったタイトルが取れる選手になりたい」と、夢は広がるばかり。山下スカウト部長も「期待度はかなり高い。守って打って走れる選手がセカンドに固定されれば、チーム力はすごいアップすると思う」と願った。
巨人の野手で新人王を獲得すれば10年の長野以来。大卒新人野手だと81年の原辰徳以来36年ぶりとなる。ヒットを量産して、2人のスターを超えれば、自然とタイトルも近づく。希望に満ちあふれた21歳は浮かれるばかりでなく「まずは開幕1軍を目標にしたい」としっかり気を引き締め直していた。
今回より2016年ドラフト指名選手の17年以降の巨人での起用方針とその展望を分析したいと思います。
最初は1位指名の中京学院大・吉川尚輝選手。当初は田中・佐々木選手の即戦力先発の獲得を目指しましたが、共に指名権をはずし、その中で野手のドラ1候補であった吉川選手を獲得しました。
【吉川選手の起用方針】
吉川選手の武器は通算3割後半越えの高いミート力。そして即戦力と呼ばれる内野守備と、89試合44盗塁と高い走力を保有していることです。
このことから球団が期待しているポジションは「セカンドの固定」及び「1・2番バッターの固定」の二つです。
仁志選手以降キムタク・藤村・片岡・中井・脇谷・寺内・山本・クルーズ選手の何れもセカンドスタメンにこそつきましたが、絶対的セカンドとして定着するまでには至りませんでした。そのためセカンド固定は巨人長年の課題であり、山本スカウト部長もセカンドでの活躍を期待しています。
また1・2番バッターの固定も課題の一つ。15年は立岡・片岡選手が1・2番をつとめましたが、立岡選手は16年不調。片岡選手もスペ体質の悪化で固定にはいたらず、1番は消去法で長野選手を起用。長野選手はフリースインガーのため、本来は下位打線に起きたいところであり、高い出塁率と盗塁が期待できる吉川選手は1・2番として固定したいところです。
【スタメンへの課題】
課題点としては長打率です。大学3年のころに現阪神の高山選手(=明治大)に強い衝撃を受け長打力の必要性を実感。その後長打力を伸ばすことに重点を置き、体つくりとウェートトレで体重を10キロ増やしています。
スタメンとして固定できるかどうかは「1軍投手のパワーをはじきかえせるか」ということです。力負けしアヘアヘ単打となれば、藤村選手の二の舞になります。長打がないことで前衛守備で対策され、その後全く成績が伴わなくなった内村(=Dena)選手の例もあります。そのため1軍での長打を打てるかどうかにかかっています。