第100回全国高校野球選手権大会第8日第1試合(二松学舎大付5-2広陵、12日、甲子園)昨夏準優勝の広陵は、甲子園経験のあるエース森悠が七回につかまった。1死二、三塁から二松学舎大付の右田に2点適時打を許すと、保川にも適時打を浴びた。背番号1は「気持ちが先走って力んでしまい、甘い球がいってしまった」と肩を落とした。
打線も相手を上回る10安打を放ちながら、あと1本が出なかった。中井監督は「勝ち越すことができなかったのが痛かった。もっと長く甲子園で試合をしたかった」と初戦敗退に悔しさをにじませた。
【森選手の紹介】
178センチ74キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ
セットポジションからスリークォーターの角度で一気に腕を振りぬくフォームから、最速147キロ、常時140前半のストレートと縦のスライダーが武器の先発右腕。制球に課題を持っていたものの、腕の振りをスリークォーター気味に変化させることで球速・コントロールの改善に成功しています。
森選手の武器は力あるストレートで、高めに抜けても空振りを奪い、コーナーに決まれば手も出せず見逃し三振を奪うものとなっています。改善したものの決して磐石なコントロールというわけではありませんが、アバウトなコントロールでも空振りを奪えるのは大きな魅力となっています。
変化球についてはスライダーが主となっており、縦に変化するタイプでこちらは大きく変化して空振りを奪うものとなっています。このためストレートメインでカウントをつくり、ストレート狙いのバッターを落差あるスライダーで空振りを奪うのが投球内容となっています。
【指名への課題】
スライダー以外の変化球の精度はいいほうではなく、カーブはすっぽ抜けて死球コースに飛ぶことがほとんどでした。スライダーもボールゾーンに落ちる球のためカウントを整えるのはストレート一本になっているため、まだストライクカウントが整っていない状況ではストレートに絞り込まれ、早打ちされ失点に繋がっていました。
カウントを整えるカーブの精度向上、そしてストレートを見せ球に空振りを奪えるチェンジアップの向上やフォークの習得など、武器となるストレートを活かせるための変化球習得が望まれます。
【指名順位予想】
課題はあるため時間はかかる素材型。育成1位~2位で取れるのか理想ですが、甲子園実績や広陵ブランドを踏まえると、育成ならば指名を拒否する可能性もあります。このため指名順位は9位~10位の下位指名となります。