センバツ王者を相手に3失点で完投した高岡商(富山)の山田は、何度も「勝ちたかった」と繰り返した。序盤に相手の直球狙いを察知。4者連続を含む11三振を奪った。
8回無死一塁の藤原からは「一番いい打者だし、真っすぐで勝負しようと」。138キロで空を斬らせ、ガッツポーズも飛び出した。吉田真監督は「高校に入ってからのベストピッチング」とねぎらった。最速148キロ左腕だけに、進路が注目されるが「これから、ゆっくり考えたい」と話すにとどめた。
≪過去に06年早実・斎藤佑だけ≫高岡商・山田が大阪桐蔭打線から11奪三振。大阪桐蔭から夏の甲子園で11奪三振以上を記録した投手は06年の早実・斎藤(12)以来12年ぶり2人目となった。また、春夏通じて大阪桐蔭から2桁奪三振をマークしながら敗退した投手は12年春の花巻東・大谷(11)以来6年ぶり4人目となった。
【山田選手の紹介】
182センチ80キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ
セットポジションからゆっくりとタメを作り、そこから重心を落とし畳んだ左腕を振り下ろし、最速148キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。大きな武器はまずまずのコントロールで投げ込む球速以上のストレート。高めに抜けても空振りを奪い、コースに決まれば相手は空振りさえ出来ないほどのキレを誇っています。
また落差あるスライダーも大きな武器。ストレートとのコンビネーションで緩急を交え、そのコントロールもコースをつける制球があります。このコントロールで大阪桐蔭・藤原選手をスライダーで三球見逃し三振で完全に封じ込め、続く根尾選手もスライダーにタイミングをずらされ空振りとなっています。
【指名への課題】
低めのストレートが抜けることが多々あり、ベース前で大きくバウンドして後逸しかねないものとなっていました。またスライダーもアウトコースに大きく外れて小さくバウンドするものもあり、捕逸する恐れがあるような球が見られました。
幸いバッテリーである筏選手のバウンド処理スキルにより後逸することなくどんどん放れていましたが、これがバウンド処理能力が低い捕手となると低めの球を使えなくなる恐れがあります。
【指名順位予想】
キレのあるストレートと調子がよければコントロールと落差のあるスライダー。上背もあるため球速アップとさらなる変化球の習得で伸び代も期待できます。このため指名順位は2位~3位となります。