<全国高校野球選手権:報徳学園3-2聖光学院>◇11日◇2回戦
ドラフト1位候補の報徳学園(東兵庫)・小園海斗遊撃手(3年)が3安打3得点の活躍で16強入りに貢献した。3安打は全て二塁打で大会最多タイ記録。バックネット裏で見守っていた各球団のスカウトは軒並み高評価を与えた。
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◆西武渡辺SD 彼が打って走ると、スタンドも沸くよね。ショートとしての能力が高く、将来が楽しみ。立浪のように1年目から出られる可能性もある。広角に打てるし、走攻守トータルでレベルが高い。間違いなく上位候補。
◆日本ハム大渕スカウト部長 力強さ、スピードが出てきた。バットに当てるのがうまい。躍動感が出てきて成長を感じる。
◆ロッテ永野チーフスカウト オーバーランで4秒を切るのは速い。ガツガツ地面をつかんで走る。うちの荻野タイプ。
◆オリックス長村球団本部長 足も肩もすべて文句なし。走攻守すべてにおいてトップランク。アマ野球NO・1のショート。即戦力に近いと思う。
◆楽天長島スカウト部長 今年の高校生の中でも特に、すぐプロでレギュラー争いできる選手。
◆広島鞘師スカウト ワンプレーごとに精度が高くセンスにあふれている。大舞台にも強いのがいい。上位指名の1人。
◆巨人岡崎スカウト部長 下半身の粘りが出てきて、広角に打てるようになった。守備はトップランクですね。
◆ヤクルト伊東編成部長 いい遊撃手はみんな欲しいところ。今年に入ってまた評価を上げている。1位じゃないと取れない。
◆DeNA八馬スカウト 3拍子そろった選手の中でも高いレベル。体は強いし、躍動感がある。スピードに馬力もある。
【小園選手の紹介】
178センチ79キロ 右投げ左打ち
ポジション:ショート
早くからドラ1候補として注目されていた高卒内野手。武器は1番バッターとしての巧打と俊足、そして多くのスカウトから高く評価される守備センスとなっています。
打撃については巧打面が評価されており、巧みなバットコントロールで内野を越える当たりを飛ばすと、50m5秒台の俊足で一気に二塁三塁を陥れています。このため足で稼いだ長打が多く、パワー面においては不安視されていましたが、パワー不足は小園選手自身も自覚しており下半身を鍛えるトレーニングを2年生以降に取り入れています。
このため3年の甲子園では外野への深い当たりも披露しており、スカウトからも下半身がどっしりとして打撃にも粘りや力強さが出ていると評価されています。本塁打については甲子園では披露できなかったものの通算37本塁打を記録しています。
守備についても高卒選手の中でも高い評価を得ており、俊足を用いての広い守備範囲とグラブ捌き、そして遠投110mの強肩であるため、俊足巧打型の守備評価が高い内野手として注目されています。
報徳学園 小園海斗 準決勝 深く広い守備範囲 6守備機会【 2018 記念 東兵庫大会 】
【指名への課題】
長打力をつけてもなおプロ入り後のパワー不足が懸念されています。今現在も長打力の多くは足を使ったものが多く、本塁打の多くも選抜や甲子園で打ったものでなく、地方予選で稼いだものが大半であり、強豪が集まる甲子園では本塁打はあまり披露できていません。鋭いライナー性の当たりやフェンス直撃の長打もあまり見られないため、パワー面でのアピールは不足しています。2年生のときに出場したU-18で37打数14安打と木製バットへの対応は見られたものの長打率は低く、やはりパワー面については不安視されています。
長打力をつけてなお今の状態であるため、プロ入り後は単打タイプ選手となってしまう懸念があり、そのようなタイプは大卒・社会人内野手でも獲得できるため、そのようなタイプになりかねない選手を上位指名枠で獲得するリスクが生まれます。
【指名順位予想】
高卒選手は伸びしろやロマンとされる部分が高く評価され、高卒野手であれば一番見られるのは打撃面となります。この点小園選手は守備・走塁面の評価は高いものの、打撃面は巧打が目立ち長打面ではアピール不足となっています。
このため指名順位については単独1位・はずれ1位が候補となっています。今季は1位候補が少ないため、本来なら2位の序盤で指名される選手ですが、ショートの世代交代が迫られている球団でショート以外に打てるスタメン選手を確保できていることを条件に、確実にショートとして起用できる選手として獲得したい選手となります。