7月14日(土)の第89回都市対抗野球大会2日目は「名勝負の日」だった。3試合すべてが終盤までもつれ、タイブレーク、サヨナラ、ジャイアントキリングとそれぞれにドラマがあった。
第1試合は王子(春日井市)とSUBARU(太田市)の対決だった。王子は6回表で4-0とリードを奪ったものの、先発の近藤均が6回裏にアクシデントで降板。そこから試合がもつれる。
SUBARUは高橋史典の好投で追加点を許さず、8回裏に代打・川口貴郁のソロ本塁打で2-4と2点差に。さらに9回裏二死から、5番・岩元聡樹が起死回生の同点2ラン本塁打を放つ。
試合は4-4のまま12回からタイブレークに入った。12回の攻防は1点ずつで決着つかず、王子が13回表に4点を加えて勝負あり。王子は9-7の勝利で2回戦に進んでいる。
【高橋選手の紹介】
182センチ82キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・カットボール・スプリット
経歴:修徳高ー立正大ーSUBARU
解禁年:2017年
セットポジションから大きく足を上げ、タメを作らず腕を前に撓らせるように投げるフォームから最速148キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む長身右腕。
武器は最速147キロと一見して物足りなさを感じさせるが伸びがあり空振りを取れるストレート。このストレートが常時140中盤ながらコントロールがよく、アウトコースぎりぎりをどんどん突いていける制球力がある。左右を苦手とせずアウトコースに投げ込んでいき、ストレートを狙ったところに同じ軌道で芯を外すカットボール、スプリットでゴロで打ち取る投球となっています。
18年都市対抗では王子戦で4番手投手として登板。2点ビハインドながらも9回から登板し無失点で流れを引き寄せるとその裏に同点に追いつき、結果として4回(1/3)を投げ7奪三振1被安打1失点と好投しました。コントロールのよいリリーフ候補として期待される選手です。
【指名への課題】
ストレートはコントロールがいい一方、カーブのコントロールが悪く、投げると大半が高めに抜けます。他の変化球はそれなりにコントロールされていますが、全体的に動きが速い球が多く、ストレートの割合が非常に多くなっていますがストレートも平均球速の幅が狭いため、緩急という点では課題があります。
このため中継ぎなら好投していますが、先発となると一巡してくると打者がタイミングに慣れてくる恐れがあり先発としては課題があります。
【指名順位予想】
ストレートに魅力はありますが、やはり中継ぎとしてなら最高球速は150キロ前後は欲しいところ。緩急という分かりやすい課題があるためそこさえ改善すれば即戦力中継ぎとしての起用が見えてきますが、大卒社会人で17年解禁済であるため、年齢面からも2軍で課題を修正させる余裕はあまりありません。
このため指名順位は7位~8位。左右どちらに対しても起用できる選手であるため一定の需要はありそうですが、変化球の精度アップが期待できなければ再び指名漏れの可能性もあります。