巨人は30日、東京・大手町の球団事務所でスカウト会議を行った。
甲子園大会での視察を終え、進路の動向などを確認。準優勝した金足農のエース吉田輝星投手(3年)について岡崎スカウト部長は「ボールの質もいいし、一番は投げるスタミナがある」と評価。10月のドラフト会議での補強戦略に「去年は投手が1人、野手が7人。その前年は野手が1人、あとは投手。2年で何とかバランスが取れた。今年は半々ぐらいになるのでは。(昨年、育成含め3人指名した)捕手はいらないかも」と話した。
【ついに1位指名最有力選手が決定】
8月30日の巨人ドラフト会議にて高校生指名候補について言及。その中で金足農・吉田選手を1位最有力候補として挙げられました。これまで1位候補は大阪桐蔭・根尾選手や東洋大・梅津選手などが指名候補として挙がっていましたが、最有力についてはこれまで列挙されませんでした。
ただ吉田選手についてはプロ志望を出すか八戸学院大へ進学するかがまだ不明であり、そこについては今後も注視していくようです。
【なぜ吉田選手が1位最有力となったのか】
【①菅野選手に次ぐエース投手の不在】
引用:読売巨人軍公式サイト
巨人のエース投手となるとこれまで上原・桑田・内海選手と続いていき、今現在は菅野選手がエース看板を背負っています。しかし菅野選手も今年28歳。年齢も中堅にさしかかり、次代のエース候補が必要とされています。
若手投手のなかで田口選手は今季不調、畠選手も長期離脱。鍬原・高田選手などもなかなか1軍に定着できていません。その中で吉田選手は最速150キロだけでなく高校生離れしたスタミナ、そして甲子園を沸かせたスター性、変化球の完成度などが高く評価されており、田中正義・清宮選手と話題となる選手の指名が出来ていない昨今の状況からも、看板を背負えるエース選手を求めることなりました。
【②即戦力投手候補の現状】
現在の巨人先発ローテは畠選手の長期離脱、田口選手の調整失敗、マイコラス選手のメジャー復帰などで先発ローテが崩壊。今村・内海・吉川選手などの復活はあったものの、それでも先発ローテはかなりぎりぎりとなっています。
このため今季は即戦力ローテ候補が必須でしたが、その中の最有力だったパナソニック・吉川選手がまさかのマイナー契約でドラフト候補から消滅。同じ社会人候補のNTT・堀誠選手はフォームを作り直し今季は結果を残せておらず、HONDA・齋藤選手も課題ありなど、社会人先発候補の多くが課題もちであることが判明。
ならば大卒候補についてですが、東洋大・梅津選手は怪我明けに加えウイニングボールに欠け、上茶谷選手は血行障害持ち。法政大・菅野選手は連投続きで成績も下降気味となっており、左腕の富士大・鈴木選手もスペ体質な上に怪我明け、八戸・高橋選手もスタイルチェンジをしてこれからとなっており、候補選手の多くが怪我持ちや伸び悩みなどで即戦力とはいえない状況となっています。
このため中途半端に即戦力にいって1.5軍選手になってしまうよりも、18年は外野手・中継ぎ整備とエース候補の獲得でチームバランスを整え、19年に主力クラスになりえる選手を狙う形ともなっています。
【捕手獲得についても言及される】
これまで指名の傾向については投手・野手をバランスよく指名する、程度の情報に留まっていました。しかし今回の会議では捕手に指名について言及。かもしれない、と決定とはいえませんが、捕手については1人も指名しない可能性が出ています。
【巨人の捕手事情について】
17年に2位・岸田選手、3位・大城選手、育成5位・広畑選手、育成6位・小山選手と育成含め1年に4名の捕手を指名。意味不明ドラフトと揶揄され多くの記事で馬鹿にされてきました。このブログではその意図については解説しましたが、それでもバランスの悪い補強であったことは間違いありません。
しかし蓋をあけてみれば岸田選手は小林選手との世代交代を意識し2軍で正捕手として結果を残しており、大城選手も1軍で2番手捕手として大きく貢献しています。田中選手も3番手として置くなら問題なく、宇佐見選手も盗塁阻止率に問題はあるものの捕手として起用できています。
現在の巨人は投手・野手ともに再建が必要であり、補強ポイントは数多くとなっています。その中である程度バランスがとれていて早急な補強が必要ない捕手については今季は指名せず、他のポジションの指名に指名枠を割いてバランスを取る意図となります。