JFE西日本の河野竜生投手(20)が8安打完封し、優勝した第31回大会(04年)以来の4強進出を決めた。
「相手をかわさず攻めきることができた。(捕手の)浦さんのリードに任せて思い切って投げました」
初回から毎回のようにピンチを背負ったが「生命線だと思っている」という140キロ台中盤の直球を軸に力で押した。味方の好守にも助けられ、1回戦の宮崎梅田学園戦に続く完封勝利を挙げた。
鳴門高ではエースとして甲子園に3度出場し、最高成績は3年夏の8強。来秋ドラフト候補に挙がる左腕は「野球人生でベスト4は初めて。日本一になれるよう、しっかり準備していきたい」と意気込んだ。
【河野選手の紹介】
174センチ75キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ・ツーシーム
経歴:鳴門高ーJFE西日本
一度体をよじるようにゆっくりと大きく足を上げながら、折り畳んだ腕を小さく振るフォームから最速145キロ、常時140台のストレートが武器の高卒左腕。常時140台でそれ以上に伸びのあるストレートで押していく投球スタイル。特に右打者へのインハイ、クロスファイアは強力な武器となっており、クイックでもあまり球速が落ちないのも魅力となっています。変化球は落差あるカーブ・スライダー、そしてツーシームなどを武器としています。クロスファイアがあり、アウトコースにもスライダーで空振りを奪えるため、左よりも右を得意としています。
当初は力押しでいく場面が目立ったものの、2年目となり投球術を身につけたと監督からも評価されており、JR東日本の太田選手と並び19年ドラフトの社会人先発の一人として注目されています。
【指名への課題】
右打者に対してはストレートの力と落差あるスライダー、そして同じく落差がありタイミングもはずせるカーブがありますが、左に対してはインコースへのコントロールが課題となっており、ストレートが甘いコースにいく場面が見られます。変化球についても右に比べ左相手だと精度に差が出ており、右に比べ変化球でストライクがあまり取れていません。このため左はストレートの割合が右よりも増えています。
また6回からのスタミナが減ってくるころになると、球速は落ちないもののコントロールが悪くなり、全体的に高めに集まるようになります。このためストレートはカットされやすくなっており、後半イニングは変化球主体の攻めとなります。このため後半イニングの左打者に対しては長打性の当たりが増えており、変化球の割合が増えるため右打者にもヒットを打たれやすくなっています。
【指名順位予想】
先発即戦力とみるには左への攻めに課題はあるものの、高卒社会人ということもあり、素材型としてみれば光るものをもった選手です。特に7回を超えても球速が落ちないスタミナは魅力であり、右に対しては現段階で十分に攻められる武器を持っており、クイックでも大きく崩れないことから中継ぎとしても見ることが出来ます。しかし素材型であり先発として実績を残していることから先発として評価される選手であり、指名順位としては3~4位となります。