準々決勝3試合が行われた。東芝はルーキーの宮川哲投手(23)が自己最速となる152キロをマークするなど、8回途中まで3失点の快投。新日鉄住金広畑を5―3で振り切り15大会ぶりの4強進出を果たした。JFE西日本は河野竜生投手(20)が2試合連続完封で、前回大会準優勝の日本生命を撃破。三菱重工名古屋は、Honda鈴鹿を下し、ベスト4が出そろった。
自慢の剛速球がうなりを上げた。今大会初登板のルーキー・宮川が東芝を15大会ぶりの準決勝進出に導いた。。初回に自己最速を2キロ更新する152キロを計測した。
「先制点をやらないようにと思っていた。飛ばしすぎてバテちゃいましたね」
中盤は打たせて取るスタイルにシフトし、5回まで1安打に抑えた。球数が100球を超えた8回に3安打を集められて救援を仰いだが、8回途中まで3失点と上々の内容だ。
あす12日の決勝まで進むと、9日の2回戦から4連戦となるだけに、少しでも投手の消耗を減らしたいところ。平馬淳監督は「先発は昨夜から伝えていた。投げ切ってほしかったが、明日、あさってもある」と今後のフル回転も期待した。
上武大では4年春秋にベストナインを獲得。昨秋のドラフトで指名漏れの悔しさを味わった宮川は「真っすぐの質を求めていく。来年はそこ(プロ)を目指していけるようになりたい」と将来も見据える。全国舞台で快投を続けて、自らの名を知らしめるつもりだ。
【宮川選手の紹介】
177センチ80キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップ
ノーワインドアップから足を上げながらもタメをつくらずオーバースローに近いフォームから最速152キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。ストレートは常時146キロ以上を記録することが多く、打者はついていくのが精一杯の力を持っている。そこから落差あるスライダー・カーブで緩急をつけられる。そしてストレートを狙って大振りしてきた相手を打者の近くで落ちるフォーク・チェンジアップで打ち取っています。ストレートに力がありながらも力押しせず変化球も交え効果的に打ち取る投球術が出来ています。
大学では主にリリーフとして登板しながら先発としても好投し、4年生ではリーグ防御率0点台を記録するもまさかの荒れ球持ちもあって指名漏れ。東芝に就職後はリリーフとして試されながら2年目は先発起用されており、新日鉄住金広畑相手に8回3失点で自己最速152キロを記録しています。
【指名への課題】
ストレートが高めに抜けることは相変わらず続いており、球速が速いため手を出してくれ球威により詰まったフライに出来ていますが、そこを見逃されるようになるとカウントを悪くする展開になってしまいます。
また後半イニングになりスタミナが落ちてくるとストレートが140前半にまで球速が落ちてしまうため、そこから捉えられるようになっています。長打こそないものの内野を抜かれる綺麗な当たりが増えるようになっています。
球速とパワーが命の投手のため、ストレートが落ちてくると変化球も捉えられています。特に荒れ球持ちで球速が落ちた状態で高めに抜けるようになると、外野深くに運ばれるようになっています。
このためスタミナが落ちる5~6回からどうやって乗り切るかをアピールできるかが先発として獲得されるかどうかのラインとなります。
【指名順位予想】
先発として計算したいところですが、先発とするには5回からのスタミナが落ちて球速が落ちそこから崩れる点が課題となります。このため球数を稼ぐ勝負をされると5回を持たず崩れる可能性があり、現時点では先発よりも2~3回を投げれるリリーフとしてみることとなります。そうなると荒れ球持ちが課題となるため、上位指名を狙うには今後は完投実績を積んでいくことが必要です。
このため現時点では5~6位の下位指名が濃厚。リリーフとしてみるにもストレートの荒れ球で自滅する懸念もあるため、先発・中継ぎどちらで起用するにも課題が残る選手となっています。