1回戦2試合が行われ、国学院大の横山楓投手(4年・宮崎学園)が5回1失点の好投、昨秋王者・立正大を下した。駒大は林琢真内野手(1年・東邦)の逆転三塁打などで亜大に競り勝った。今季から1、2回戦を全て1日3試合で実施するが、3試合目、東洋大対中央大は雨天のためノーゲームとなった。
開幕投手を任された意地を見せた。横山は気温10度を下回る中、視察したヤクルトスカウトのスピードガンで最速147キロを計測。「めちゃくちゃ緊張した」と五回までに98球を要しながら、粘りの投球で試合を作った。
何としても勝ちたい理由があった。この日は母・香子さんの45度目の誕生日。大学ラストイヤーを迎え、地元・宮崎から応援に駆けつけてくれたという。「ウイニングボールを渡したい」と自慢の直球を軸に7奪三振。失点も押し出し四球の1点のみにしのいだ。
「チームの勝利に貢献できたのでよかった」と昨季の神宮王者撃破とともに、最高の親孝行を果たした。1学年上だった清水昇(現ヤクルト)のような、調子が悪くても負けないエースを目指す。
【横山選手の紹介】
180センチ75キロ 右投げ両打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ・ツーシーム
ノーワインドアップからタメを作りながら一度足をゆっくり上げた後、再びタメを作り背中に回した腕を振り下ろす非常に特徴的なフォームから最速149キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。主に先発として起用されており、
武器は振り下ろすように投げる角度あるストレート。球威もあるため押し込まれ、高めに抜けた長打コースでも押し負けて外野の守備範囲に収まってしまいます。加えてカウントを整える緩い変化のスライダーを効果的に使い、ストレートにタイミングを合わせた打者に抜いたような変化で空振りを奪います。
【自分で火消し】國學院大 横山楓ノーアウト満塁から見事なピッチング【東都大学野球春季 國學院大vs.東洋大学2019/4/16】
【指名への課題】
クイックになると変化球の割合が非常に少なくなり、ストレート一辺倒の攻めとなります。理由としては通常時も決して精度が高いといえない変化球がさらに全く決まらなくなり、ただカウントを悪くするだけにしかならないためです。このため一度ランナーが出ると四球でどんどんピンチを広げていきます。
ストレート自体はクイックでも球威は落ちず角度もありますが、どうしてもストレートの割合が増えるためタイミングを合わせやすく、いいコースに決まってもカットされてしまっています。ストレートを見せ球にできる落ちる変化球も変化が早すぎて大半が見切られてしまっています。ストレートはある程度ばらけるコントロールのためどうしても四球が多くなっており、一度ランナーが出ると四球でどんどんランナーが貯まって自滅してしまっています。
【指名順位予想】
ストレートに力はあるものの、変化球の精度とクイックには課題があるため、即戦力とみるには難しい状態となっています。同級生に同じようなタイプでさらに長いイニングを投げられている吉村選手がいるため、横山選手はプロ志望を出さず社会人で即戦力投手として上位指名を目指す可能性もあります。
現状の評価では5~6位の下位指名候補。先発起用されているため将来的な先発評価しての順位ですが、一方でクイックと変化球という先発としては痛い部分が課題のため、最悪中継ぎ起用になる可能性も含めての評価となります。