阪神が、今秋ドラフト候補として“西2世”、菰野高(三重)・岡林勇希投手(3年)をリストアップしていることが20日、分かった。西勇輝投手(28)の後輩にあたる最速150キロの右腕。くしくも同じ名前の“ユウキ”を秋まで注視していく。
岡林は身長177センチと投手としては大柄ではないが、抜群の運動神経で、最速150キロの直球に加えてスライダーも得意。2年生だった昨年、ドラフト5位で広島に入団した田中法彦に次ぐ2番手投手だったが、U―18日本代表候補に選ばれた。2歳上の兄・飛翔(つばさ)も菰野出身で、広島に17年育成ドラフト1位で入団した投手。高校も名前も同じ“西2世”は、魅力いっぱいの潜在能力を秘めている。
阪神球団関係者は「バネがあっていい投手。高く評価しています」と認めた。4月21日の春季三重大会準決勝・いなべ総合学園戦を、巨人など他4球団とともにスカウトが直接チェック。9回6失点(自責2)で9四球の内容に、岡林は「これから制球を意識して、四球がないようにしていきたい」と不満だったが、11奪三振と片りんを見せた。
虎の今年のドラフト戦線では、西の遠縁の153キロ右腕、創志学園・西純矢投手(3年)も1位候補として注目。本家・西、西の親戚、西2世が勢ぞろいするという夢も膨らむ。MAX163キロの“令和の怪物”大船渡・佐々木朗希投手、星稜・奥川恭伸投手、横浜・及川(およかわ)雅貴投手(いずれも3年)ら才能あふれる高校生投手が多い中、岡林の動向と成長も見守っていく。
【岡林選手の紹介】
176センチ71キロ 右投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップ
ノーワインドアップから左手を前へ伸ばし大きく勢いをつけて腕を振るフォームから最速151キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む右腕投手。17年広島育成1位指名の岡林飛翔選手の弟であり、ばらつきがありながらも力あるストレートを中心にスライダー・カーブでタイミングを外しながら空振りを奪う投球スタイルとなっています。
また打者としても高く評価されており、2年生のころには2打席連続本塁打も記録しており、スカウトからは打撃と走塁の積極性が評価されています。
【指名への課題】
全体的にコントロールが定まっておらず、ストレートは決まるかどうかは投げてみないとわからないといったほどにばらけています。シュート回転することもありそれがさらなる四球率の悪化を招いています。クイックだから乱れるのでなく、 元からコントロールに課題があり、カウントを取れる変化球も制球できていないため、どうしても四球の多さに繋がっています。
このため制球を重視するために現在の左手を高く掲げるフォームにフォームチェンジしており、夏までにフォームに安定させ制球力アップにつなげられるかがカギとなります。
【指名順位予想】
決まったときのストレートや変化球のキレは力強いものがありますが、問題はそれを欲しいときに安定して投げられないこと。そして制球のよい球を持っていないためカウントを整えられない点です。持っている球自体の力はとてもよいものがありますので、コントロールさえなんとかなれば高い奪三振率で先発・中継ぎともに期待できる選手です。
指名順位は育成2位~3位と予想。本人は投手指名を目指しており、実績からも投手としての評価が高い選手です。課題が多い選手ではありますが、光るものはあるため育成として時間をかけたい選手となります。