読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

16年育成2位・加藤侑平選手が支配下登録。2軍台頭の理由と今後は

 

巨人は9日、育成選手の加藤脩平外野手(20)を支配下選手登録すると正式に発表した。背番号は「002」から「94」となり、年俸は300万円から420万円(金額は推定)となる。

 東京ドームで記者会見が行われ、今村司顧問と2人で出席。今村顧問から「今日、新たな巨人の星が誕生しました」と紹介されると、冒頭で感謝を口にした。

 「ここまで育ててもらった両親、少年野球時代から携わってくれた監督、コーチ、スタッフのみなさんに感謝しています。それから私は寮生ですので、食事や掃除をしてくれるスタッフのみなさまに感謝しています。入団3年目ですが、ずっと支配下登録という目標を持ってやってきました。時にはつらい時も苦しい時もありましたが、1軍でプレーすることを夢見て一生懸命やってきました。ここで終わりではなく、スタートラインに立てたので、次は1軍で活躍できるよう日々精進していきたいと思います」

 高卒3年目の左打者で、今季は2軍公式戦43試合145打数41安打、打率2割8分3厘、4本塁打、17打点。5月31日に東京Dで1軍練習に参加して首脳陣に練習を披露し、視察した原監督が自ら支配下登録を希望して決まったという。5日のイースタン日本ハム戦(G球場)では、1軍経験豊富な浦野から9回に同点2ランを放っていた。

 今年で育成契約3年目。育成選手は3年で一度、自由契約となる規約があるため“最終年”だった。

 「今年ダメだったら終わりだと思っていたので、今年にかける思いはすごく強かったですし、何とか食らいついて支配下にという気持ちが強かったので、今回すごくうれしかったです」

 目標の選手はチームの先輩の丸佳浩選手だという。

 「1月のオフに丸さんと一緒に練習させてもらって、体の使い方だったりバットの軌道であったり、配球だとか、いろんなお話をしていただいた。それを自分の中ですごくいいものにできています。セールスポイントはバッティングと肩だと思っているので、そこをアピールできたらと思います。将来は自分が尊敬している丸選手のようなバッターになりたいと思っています」

 入団当初、将来の目標として3割30本30盗塁の「トリプルスリー」を掲げていた。今もその夢は同じだ。

 「入団当初はトリプルスリーを目標にと思ってやってきたので、それを狙えるだけの選手に成長できるように頑張りたいです」

【巨人】加藤、支配下登録で背番号94に…育成の星「目標はトリプルスリー」 : スポーツ報知

 

 

 

【加藤選手の紹介】

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引用:二軍試合結果|読売巨人軍公式サイト

 加藤選手は16年に磐田東高校から育成2位指名で巨人に入団。投手としては最速143キロ、野手としては通算28本塁打を記録していました。ドラフト指名時は野手としての指名を希望。このため巨人指名時も外野手指名となりました。

 入団後は主に3軍で起用。1年目は3軍のみで打率1割台に終わるも、2年目には3軍で打率2割後半を記録。しかし外野だけでなくファーストに回されたり、2軍で14試合起用されるも16打数1安打打率.063とまだまだ支配下は先だろうと予想されていました。

 

 しかし今年2軍で起用されるようになると145打席41安打4HRで打率.283と結果を残しており、現在巨人で不足している左打ちのライトを守れる外野手ということと、上原選手引退により支配下枠が64名となり7月31日にまで65名にしなにと育成指名に参入できなくなるため、今回加藤選手が育成から支配下に昇格となりました。

 

【なぜ台頭したのか】

【①:丸選手の指導】

  なぜ今年になりここまで成績が上昇したのか。よく取り上げられているのが丸選手の指導を受け打撃フォームを改造したことです。

丸が移籍後、初めて一緒に打撃練習を行った育成2年目の加藤脩平外野手(19)も「見たまんま軽くまねしてみたら『おや?』と。それで直接フォームを見てもらいました。自然となじむ感覚がありましたね」と手応えを感じていた。

【巨人】新加入の丸 G球場ですでに効果発揮 : スポーツ報知

  この後にさらに丸フォームをアレンジした打撃フォームが現在の加藤選手の打撃フォームとなっていますが、タイミングの取り方は丸選手と似たようなものとなっています。

【②:18年2軍レギュラー外野手の離脱と重信選手の台頭】

  いくら打撃フォームを改造しても試合に出られなければ結果を残せません。何より去年までほとんど3軍だった加藤選手がなぜ突然2軍レギュラーとして起用されたのか。それは2軍スタメン外野手の相次ぐ離脱が原因となっています。

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引用:二軍試合結果|読売巨人軍公式サイト

 

 18年外野レギュラーだった選手は主に立岡・石川・松原・和田・重信・橋本選手となっていました。しかし和田選手と松原選手が同時期に故障で離脱。橋本選手は金銭トレードで楽天へ移籍。さらに去年DH枠で起用されることが多かった脇谷選手は引退しており、DH枠は同じ外野手である石川選手や山下選手が起用されることが多くなっています。

 

 加えてセンター・レフトで起用されていた重信選手が1軍スタメンでも起用されることが出てきたことで1軍帯同が多くなりました。この結果3月はあまり起用されていなかったものの、4~5月間の2軍外野は石川・山下・立岡・加藤選手の4名で回すこととなり、さらにDH枠で1名減るため空いた枠で加藤選手が起用されていました。

 このようにいくつかの要素が重なって加藤選手は2軍起用されるに至りました。しかしここで結果を残したからこそ2軍スタメンを勝ち取ったのもまた事実。3~4月に起用されていた同じ育成の笠井選手や支配下指名の村上選手は結果を残せず現在は3軍起用となっています。

 

【今後の見込み】

 今回の支配下支配下枠65名を満たす要素が強く、支配下になったから即1軍の見込みは薄いと思われます。現在の1軍ライトは亀井選手と陽選手が好調なため、すぐに加藤選手が必要な状況となっていません。ただ亀井選手は年齢も考慮すればスタミナ切れになる可能性は十分にあり、陽選手も好調の波が激しいのが課題です。重信選手は守備難でこの2名に代わって守備固めに起用できるほどの守備力はなく、今1軍で不足しているのはこの2名を休ませられる守備固め要員です。

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引用:読売巨人軍公式サイト

 増田選手や若林選手ももともとは代走・守備固め要員として1軍昇格しました。しかしセカンドレギュラーだった山本選手の調子が落ちてき、田中選手もいまいち結果を残せない中で若林選手はセカンドスタメンで起用され、すでに2号本塁打を記録しスタメンを勝ち取りました。このように守備固めとして信用を失うことがなければチャンスは十分に回ってくる可能性はあります。ただ加藤選手は強肩ではあるものの守備については何でもないフライを落球したりポテンヒットを勢い余ってサッカーしたりと時々エラーをやらかすことがあります。このようなエラーを1軍でやらかせば一瞬で終わりですので、とにかく守備固めで安定して守ることが重要となります。