読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2019年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  3位指名 常総学院 菊田 拡和選手 高卒右内野手

巨人からドラフト3位指名を受けた常総学院・菊田拡和内野手(18)が31日、茨城県内の同校で指名あいさつを受けた。セールスポイントに「長打力プラス明るさ」と挙げ「ファンに可愛がられ、応援される選手になりたい」と意気込んだ。
 高校通算58本塁打で右の大砲候補として期待される。パワーの源は屈強な下半身にある。尻周りは111センチで、大腿は右が65センチ、左が63センチ。「岡本さんを超えられるくらいの強じんな太腿にしたい」と目標とする「岡本超え」へ気合を入れた。

 家族が大の巨人ファンの菊田は「将来的には本塁打王や日本代表の4番に座れるような選手になりたい」と夢を描いた。

巨人ドラ3菊田 65センチ太腿で岡本超えを!「将来的には日本代表の4番に」― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

 【菊田選手の紹介】

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182センチ94キロ 右投げ右打ち

ポジション:ファースト・サード・レフト

 

 高校通算58発、その並外れたパワーと体格から「常総バレンティン」と評される右のスラッガー。打球速度は驚異の165キロを記録しており、これは柳田選手やバレンティン選手を超える数字となっています。さらに防球ネット、金網を貫きそのままガラスを突き破った逸話さえあるほどのパワーを持っており、高校生離れしたそのパワーを多くのスカウトが評価しています。またスイングスピードが速いだけでなく柔らかさも高く評価されています。

 もともと落ちる変化球に対し振りに行ってしまう課題を抱えていましたが、憧れの西武・山川選手の動画も参考にしながら課題を修正。軸足で回転することをイメージするようなスイングにしたと本人も語っており、この打撃フォームチェンジにより球の見極めが向上。柔らかさを持ったバッティングに繋がっています。

 守備についてはもともと内野手としてファースト・サードを守ることが多かったものの、守備面の課題もあり3年になり外野守備に転向。3年ではレフト守備につくことも多く、今後は外野守備向上が求められます。

 


【大学生からあわや本塁打】菊田拡和(常総学院 3年)フェンス上段直撃二塁打 2019/6/30 日体大戦 打球音が凄い!!常総学院史上最多の高校55発スラッガー

 

【なぜ獲得されたのか】

 右の大砲として岡本選手が1軍に定着したものの大砲候補だった和田恋選手をトレードし、長年俊足巧打型の獲得が多かった巨人では、若手の大砲候補が不在でした。このため18年2位で通算34本の増田陸、5位で大型野手である松井選手。そして育成1年目で支配下された山下選手を獲得したものの、右の大砲候補自体が少なく、特に外野はレギュラー候補自体が丸・亀井・松原・重信・山下・加藤選手と左が多く、右は陽・ゲレーロ・石川・村上選手くらいしかいません。

 

 右の若手大砲候補自体が少ないため対左投手に対してはどうしても不利な展開になることが多く、右の外野レギュラー候補は補強ポイントでした。菊田選手は外野経験もあり状況によっては外野コンバートし右の外野候補として育てることもできるため、右のスラッガー兼右の外野レギュラー候補として獲得されました。

 

【1軍起用への課題】

 内野守備についてはあまり評価が高くなく、外野守備を始めたのも3年になってからとなっています。18年5位の松井選手がサードで起用されているため菊田選手はファースト若しくはレフトで起用される可能性が高くなりますが、どちらも打撃結果を他のポジションよりも求められます。

 

 打撃についてはパワーと柔らかさはあるものの、元々縦の変化球に弱く、プロ入り後変化量が上がる変化球に耐えられるかどうかが鍵となります。落ちる変化球に空振りしてしまうようであれば和田恋選手と同じコースを辿ってしまう可能性が高く、和田選手はどのポジションの守備も下手でスタメン起用するには課題がありなかなか1軍起用に結びつかなかったため、守備能力の向上が求められます。ファーストは外国人の起用ポジションであり、2軍ではファースト起用されることはあっても、よほどの打撃を残さないかぎり1軍でファーストスタメンは厳しいものとなります。

 ただ問題の外野守備についてはファームの外野守備コーチの人数が減っているため、外野守備能力をどれだけ向上させられるかが要注目となります。