◆オープン戦 巨人2―3楽天(13日・東京ドーム)
移籍2年目で復活を期す藤岡が、1軍に合流して即結果を残した。同学年・菅野の後を受け4回から登板。3回を2安打無失点に抑え、新たな開幕ローテ候補に浮上した。
最速は140キロながら強気な内角攻めと緩いカーブを織り交ぜ、楽天打線に的を絞らせなかった。「いろんな球種を使って投げられれば。チャンスをもらえたときに結果を残して、自分は自分の持ってるものを出したい」と振り返った。
4回2死一塁では東洋大の同期でロッテで同僚だった鈴木大と対戦。「他の選手よりは意識はしました」と四球を与えたが、けん制でアウトにしてみせた。宮本投手コーチは「いろんな球種を持ってるのが彼の持ち味。先発構想も? もちろんです」と話した。今後は登板機会がないため、再度ファームで調整を行う。代わって田原が14日に1軍に合流する。
【先発候補の不調・故障が続く中、藤岡選手も先発候補として1軍合流】
桜井選手が不調で高橋選手が肘の故障。メルセデス選手は投球再開したものの余談は許しません。その中で19年に日本ハムからトレードされた藤岡選手が先発候補の一人として1軍に合流。13日の楽天戦で2番手として登板し3回無失点と好投しました。
その後は登板機会確保の為にファームにて調整となりましたが、今回の投球を原監督も評価しています。
原監督
— スポーツ報知 巨人取材班 (@hochi_giants) 2020年3月13日
3回無失点の藤岡に
「色んな球種持ってるしストライク、ベース板を非常に広く使えるという点でね、昔のパワーピッチングとはまた違った形で味のあるいい投手だと思いますね。先発候補?そうですね。それでまたファームの方で調整してもらうということですね」
そんな藤岡選手ですが、残念ながら先発ローテとして見るにはまだ課題もあります。今回はその課題を挙げていきます。
【先発としての課題】
【対右への攻め方】
【巨人】 紅白戦6回 田原誠次 藤岡貴裕 両投手が好投 2020年2月8日
藤岡選手の課題はかねてから対右への対応です。楽天戦でも3回無失点の内容でしたが、選手ごとの内容を見ればその問題が見えてきます。
対左:8人:0被安打2三振2四球0失点
対右:2人:2被安打0三振0四球
今回右打者はウィーラー、太田選手の2名のみだったためこのような偏りとなっていますが、右に対しては明らかに攻めに苦慮していました。左に対しては130中盤ながらストレートをコントロールよく決め込み、そこに今年から試しているカーブで緩急をつけていました。
引用:https://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2020031303/score?index=0410300
しかし右になるとストレートのコントロールが悪化。さらに変化球もあまり決まらなくなり、リードしていた大城選手も厳しいコースに要求せざるを得ませんでした。右打者も狙い球を絞り込めるため、崩されてもうまく合わせられています
左投手の右打者への攻めはインコースへのストレート。さらに膝元へのスライダー、チェンジアップで空振りを奪います。インコースへのストレートが決まればカーブ、フォークが活きてきます。しかし藤岡選手はインコースへのストレートを投げ切れておらず、ただカウントを悪くするだけのものとなっています。
【先発としての球種の少なさ】
藤岡選手の持ち球はスライダー・カーブ・フォーク・スプリット・チェンジアップ。しかし実践として安定して使える球は少なく、カーブはまだ精度に課題があり、スプリット・チェンジアップは実戦では投げていません。
このため実戦で投げているのはスライダー・カーブ・フォークの3球種のみ。それもどれも決め球といえるほどの精度やキレはありません。どうしてもストレート頼りにならざるを得ず、かといって130中盤のストレートではファールは奪えても三振に苦労しています。打ち損じに助けられた場面も多く、先発として見るには変化球の精度が目につきます。
【先発として見込めるか】
ストレート押しが目立つため、現状では先発よりも中継ぎのほうがまだ計算できるといったところです。左の中継ぎも田口選手が先発転向、戸根選手は相変わらず先頭四球癖が治っていません。左の中継ぎとロングリリーフ要員が足りていないため、古川・高田選手は先発に戻し、藤岡選手を中継ぎにするのもありかと考えます。