東京六大学野球の慶大と仙台六大学野球の仙台大が21日、横浜市港北区の慶大グラウンドでオープン戦を行い、慶大が4-1で勝利した。
慶大は、二回に5番・若林将平外野手(新3年)がドラフト候補の最速152キロ右腕・宇田川優希投手(新4年)から中越えの先制2ランを放ち、八回にも2点を加え、2年夏に右肘を手術し、今春復帰のプロ注目右腕・関根智輝投手(新4年)が先発で5回2安打無四球6三振1失点に抑え、その後を3投手の継投で抑えて勝利した。
慶大・堀井哲也監督は「長打力に期待して、若林は4番・正木の後にしていて、結果を出してくれている。関根は、試合を作れるのが持ち味」とうなずいた。
若林は「打ったのは真っすぐ、内角でちょっと中寄りにきたのをうまく打てた。プロから注目される投手だと聞いていて、しっかりスイングできた。米国のオープン戦の2試合目から5番で使っていただいて、ほぼ毎試合(安打を)1本打てている。リーグ戦で来るような投手と対戦できてよかった」と野球部を通じてコメントした。
国内7球団が視察した中で投げ終えた関根は「細かいコントロールにこだわらず、ゾーンで勝負という感じで投げられた。球速は何キロかわからないけど、打者を詰まらせ、三振がとれたのはよかったけど、課題は多い」と反省のコメントを出した。
【関根選手の紹介】
関根智輝(慶應義塾大学)リーグ戦デビュー 1927年の宮武三郎以来90年ぶり2人目の1年春開幕投手
183センチ86キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・ツーシーム・チェンジアップ・フォーク
セットポジションから体を大きく開き腕に勢いをつけて振り下ろすフォークから最速150キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。球速以上に伸びるストレートをメインに、非常に縦の変化が大きいカーブにツーシームのコンビネーションで打ちとっていきます。
1年時より期待の先発候補として秋には6試合に登板し3勝を挙げ防御率1点台を記録するなど、順調にいけば上位候補になれる存在として注目されていました。
しかし2年時に肘の違和感を訴え靱帯断裂が判明。その後トミージョン手術を受けたことで3年生では一試合も登板することなくシーズンを終えました。リハビリ中は同じトミージョン手術を受けながらも3位指名を受けるほどに復活した先輩の津留崎選手を参考にトレーニングに励み、フォーム見直しに着手。4年春に復活登板を果たしました。
【指名への課題】
球速はまだ回復できておらず、最速で144キロ、常時140前半の留まっています。さらにスタミナも戻り切っておらず5回辺りから露骨に球速が落ち込んでいます。140前半だったストレートは140をぎりぎり超えるに留まり、130キロ台のストレートになっていました。ストレートだけでなく変化球も球速が落ち込んでいるため、カーブなどはぎりぎりまで見れるため変化球でもストライクを取りにくくなっています。
制球も悪化するためスタミナがきつくなってくると途端に投球を組み立てられなくなっています。
【指名順位予想】
高卒ならまだ指名候補となりますが、大卒となるとこの内容では即戦力と評価するのは難しくなっています。本人はプロ入りを意識していますが、最速144キロで変化球もそこまでのため、全体的に物足りなさが残っています。トミージョン手術の過去もある以上、残さなければならない実績は通常の投手よりも高めになります。
このため現状では指名漏れの可能性が高い選手となっています。今後も試合が実施されるか怪しい状況である以上、3年生までの実績が少ない関根選手がここから評価を上げるのは難しく、社会人入りが有力ですが、SB・大竹選手のように育成下位でも入団するというのであれば、育成5~6位指名が候補になります。