読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

タイミングの取りづらいダイナミックフォーム JR東日本 伊藤 将司選手 社会人左腕投手

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都市対抗野球JR東日本3-0NTT東日本>◇5日◇東京地区第1代表決定戦◇大田スタジアム

ドラフト候補同士の投げ合いはJR東日本の伊藤将司投手(24=国際武道大)が9回を1安打完封とほぼ完璧な投球で制した。

敗れたNTT東日本佐々木健投手(24=富士大)は5回1/3を被安打2の2失点、6奪三振2与四球の投球。自己最速タイの152キロもマークした。

伊藤は「向こうもプロ注目のサウスポーなんで、いいライバル関係。意識はしていた。勝ててよかった」と安堵(あんど)の表情を見せた。

スタンドには10球団のスカウトが視察に訪れた。西武の渡辺久信GMは「2人とも大学時代からよく見ている。剛(佐々木)と柔(伊藤)だね。佐々木は指にかかった時の直球が素晴らしい。そこが魅力。伊藤は投球術に優れている印象」とコメントした。

佐々木健vs伊藤将司「剛と柔」視察の西武渡辺GM - アマ野球 : 日刊スポーツ

 

 

【伊藤選手の紹介】


2019/6/5 伊藤将司 (JR東日本) サウスポー 都市対抗予選/明治安田生命戦 145km/h 計測

 

178センチ85キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ・ツーシーム・フォーク

 経歴:横浜高ー国際武道大ーJR東日本

 

 セットから右腕を上に伸ばし、一方で左腕を背中に回し下げたところで、勢いをつけて振り下ろすオーバースローのフォームから最速146キロ、常時140前半のストレートを投げ込む左腕投手。
 角度のあるストレートで押していきながら、130キロ台の小さく変化するチェンジアップ・ツーシームで引っ掛けさせます。ギリギリまで出ところがわからないフォームに加え、腕を振り下ろすタイミングを微妙に変えて打者のタイミングをずらします。左対してはインコースへのツーシームとチェンジアップ、右打者にはストレートとスライダー、チェンジアップでで空振りを奪います。
 チームでは主に先発で起用。都市対抗の地区予選では先発2・中継ぎ1で3試合に登板し17(2/3)回で3失点と好投しています。予選内では本人も課題としていた球速も常時140前半から中盤を記録し最速も146キロに更新。変則左腕としてアピールを続けています。

 

 

【指名への課題】


 ストレートは威力があり低めにも集められているため強力な武器となっています。ここに130キロ台のツーシームとチェンジアップを組み合わせていますが、左腕としては意外とスライダー・カーブの割合が少なくなっています。

 タイミングが取りづらいフォームのため、球速差が20キロ近くになるこの2球種の割合を増やせばより打ちとりやすくなるのに、なぜあまり投げないのかについてですが、スライダーが左腕が投げるものとしてはあまり曲がりません。どちらかというとチェンジアップに近い軌道でチェンジアップよりも遅い球です。カーブは110キロ台ですが甘いところに行きやすいのが課題です。

 

 このため変化量が少なくあまり球速差がない変化球の割合が多く、これが意外とバットに当てられている理由となっています。フォークは指に引っかかったものが多く、ランナーがいる場面ではかなりリスクがあります。左に対してはスライダー、右に対してはカーブをより使えるようになれば安定性がさらに増します。

  

【指名順位予想】

 タイミングの取りづらいフォームにストレート主体で制球がよいところから、投球内容を見る限り、先発よりも中継ぎとしてのほうが起用しやすい選手です。大卒・社会人左腕の上位候補であった慶応大・佐藤選手やENEOS・藤井選手などが怪我明けで本調子でないことを踏まえると左腕中継ぎが不足する球団にとって補強対象となります。

 このため指名順位は3位後半~4位が指名候補となります。