7月28日に行われたソフトバンク3軍との交流戦。六回に登板し左腕は、2死から四球を一つ与えたが、この回を4人で抑えた。この投球が評価され、練習生からの昇格が決まった。
「ストライク先行を心掛け、1球ごとに一喜一憂することなく気持ちを抑えて投げることができた」。5月中旬のオリックス2軍との交流戦では4連続四球などで自滅した苦い経験があり、取り組んできた練習の成果と成長を実感した。
東海大三高では昨年春、チームが甲子園に出場したが、ベンチに入れなかった。直後の春季南信大会で初めてメンバー入りしたものの、夏は大会直前にひじを痛めて外れた。「不完全燃焼。物足りない高校3年間だった」
今春、信濃で練習を始め、課題だった制球力の向上に取り組んだ。高校時代にやらなかった筋力トレーニングで下半身を鍛え、横手投げからひじの位置を少し上げた。岡本監督からは「左打者を抑えてくれ」と頼まれた。チーム最年少の18歳は「流れを引き寄せる投球をしたい」と意気込む。
【名取選手の紹介】
176センチ70キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・チェンジアップ・カットボール
解禁年:2015年
セットポジションから重心を落としサイドスローの角度から血黄身を感じさせないフォームで投げ込む左腕投手。最速142キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む左腕投手。逃げていく横のスライダーを武器に打ち取っていきます。
チームでは主に中継ぎとして起用。10月に調子を崩し防御率が悪化したものの9月までは32試合に登板し防御率1点台を記録。特に左打者にとっては横の軌道で逃げていくストレートスライダーの見分けがつきにくく、ボールから大きく離れた球でもスイングしてしまっています。
需要の増える左腕中継ぎ候補の一人として期待されます。
【指名への課題】
フォームは横手投げの変則ですが、腕を振るフォームはあまり体を捻らず腕の振りだけで投げ込むため、右打者にとっては向かってくるような怖さがありません。腕の振りをメインに投げるため右打者のインコースに投げ込みにくく、リードはアウトコース中心となり、右打者も怖がらず踏み込んでバットを振ってきます。
時々指にかかったストレートは速いものの大半のストレートは球速通りのものであるため、詰まらせた当たりがすくなくゴロでも勢いがあり抜けてしまうことが多くなっています。
変化球も右に対してはスライダーが入らないとストレート頼りになるため、ストレートを狙い打ちにされ失点しています。
【指名順位予想】
横手投げの左腕ならばスライダーが生命線ですが、右相手にはコントロールが少しばらけています。また右打者に対してクロスファイアを投げ込めるコントロールと球威が必要です。そのためにはフォーム改造と変化球の精度アップが必要です。
変則ですがまだ即戦力とは評価できないため、評価は育成3~5位の下位指名となります。