読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2020年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  育成2位指名 京都先端科学大 喜多 隆介選手 大卒右捕手

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プロ野球ドラフト会議で巨人から育成ドラフト2位で指名を受けた京都先端科学大の喜多隆介捕手(22)=小松市出身、小松大谷高OB=は4日、母校を訪れ、多田眞理事長らからエールを受けた。喜多捕手は「早く支配下選手になって、活躍する姿を見せたい」と話した。

 恩師の西野貴裕野球部監督や多田理事長、西清人校長らが出迎えた。同校出身者から6年ぶりのプロ野球選手の誕生を喜び、今後のさらなる成長に期待した。

 喜多捕手は「西野監督に出会えたことで、野球の技術だけでなく、精神面も成長できた」と同校での野球生活を振り返った。西野監督は「大学で格段に成長した。一日も早く東京ドームで活躍する姿を見たい」と話した。

「早く支配下選手に」 巨人育成2位の喜多選手(北國新聞社) - Yahoo!ニュース

 

 

 【喜多選手の紹介】

 

180センチ83キロ 右投げ右打ち

ポジション:捕手

 

 二塁送球1.77秒を誇る強肩捕手。中学生まではサイドスロー投手として起用され高校から一塁手としてプレー。しかしチーム唯一の捕手が怪我をしたことにより捕手転向をいいわたされそこから本格的な捕手として起用されるようになります。

 投手時代の癖を送球にいかしていたため二塁送球時の手首の角度が通常の送球よりも低くなっており、腕の振りもオーバースローの多い捕手の送球の中でスリークォーター気味の送球となっています。しかしスローイングの柔らかさを監督から評価されており、課題だった打撃を重点的にトレーニングしたことで4年秋のリーグでは2本塁打を記録。大きな伸びしろが期待される素材型捕手として評価されました。

 

【なぜ指名されたのか】

 現在1軍捕手は大城・小林・炭谷選手をメインに岸田選手が控えている状況。1軍捕手は確保できており即戦力は必要でない一方、20代前後の若手捕手は山瀬選手のみ。岸田選手と山瀬選手を次代の正捕手に見据えるにしても候補はまだ足りません。育成3名の高山・小山・広畑選手は2軍で結果を残せず皆戦力外となり、7位で荻原選手を獲得しましたが、2・3軍全体ではまだ捕手も足りないため捕手層の拡充のためにも育成でも捕手の獲得は必要となっていました。

 

 結果育成2位で喜多選手、5位で駒沢・前田選手、6位で唐津商・坂本選手を獲得。喜多選手は荒い面もありますがそれでいて送球1.77秒の強肩であるため、形なればかなりの伸びが期待できるロマン型。一方前田選手は駒沢で正捕手として実績を残しており、ある程度計算できるバランス型。そして坂本選手は打撃型となります。捕手事情はある程度時間をかけられるため、時間をかけられる素材型捕手の割合を多くしています。

 また17年育成の広畑・小山選手がともに大学時代は控え捕手で捕手としての試合を作る能力が未知数だったことから、ともに3年間で捕手として計算できるようになるまで時間がかかりすぎたのも問題であり、3名ともチームでは正捕手起用されていた選手となっています。

 

【1軍起用への課題】

 スイングについてはまだ上半身にブレがありプロ入り後も芯に当てた打撃をなかなかできずに苦労する可能性があります。リーグ戦でもしっかりと体全体を使って振りぬいた当たりでなく上半身の動きだけで当てたようなものが多く、長打に繋がらず4番として起用されながらも得点圏で仕事ができていませんでした。

 

 またスローイングについてもスリークォーターで投げるため上半身が崩れやすく前のめりになってしまいがちです。喜多選手もその点は課題として捉えていますが、突っ込まないよう意識しすぎてか上半身の動きが固く送球がセカンド寄りに流れることがあります。加えて喜多選手は送球時に左足を前に出さないため、ステップを加えて体を捻って投げれないことも送球がぶれる原因となっています。

 打撃・守備面両方に課題があるため1~2年目は成績が伴わない可能性も高く5位の前田選手のほうが数字がよく指名順が可笑しいといった指摘も起きるかもしれませんが、喜多選手については素材評価が高い選手