東海大甲府エース左腕、若山恵斗投手(3年)は、声を上げて悔し涙を流した。延長11回123球を投げ抜いたが「チームを勝たせられなかった。ふがいない結果に終わったことが悔しくて」と唇をかんだ。

持ち味の制球力と、緩急をつけた投球で、相模打線に的を絞らせなかった。5回まで、わずか46球。6回無死一塁、得意のけん制がボークの判定。続く東海大相模・石川への初球は暴投。無死三塁となったが「自分のチャームポイント」という笑顔は絶やさず。後続を二ゴロ、見逃し三振、右飛に打ち取り、大きなガッツポーズを見せた。

7回に捕逸で先制点を許し「バッテリーの責任。投球が悪かった」と猛省。11回は、甘くなった球を痛打された。それでも、村中秀人監督(62)からは「よく頑張った」と褒められた。身長174センチ。小柄なため、軸足の左のかかとを高く上げる。ひねりも加える独特のフォームは、YouTube江夏豊氏らの映像を見て磨いた。足の指の力を鍛えるため毎晩、素足でタオルを100回つかむ。冬場は週1~2回、寮から約16キロ離れた渓谷の昇仙峡まで朝4時半起きでランニング。練習の成果は、確実に発揮した。「制球力を磨いて甲子園に戻ってきたい」。夏、もっと成長した姿を見せる。【保坂恭子】

東海大甲府エース若山「ふがいない結果に」熱投も涙 - 高校野球 : 日刊スポーツ