◇第93回選抜高校野球大会最終日 決勝 明豊2ー3東海大相模(2021年4月1日 甲子園)
明豊の背番号10・太田虎次朗が2試合連続で先発。7回2失点と力投も勝利に結びつかず「全員本気で日本一を目指していたので悔しい」と涙を流した。
打撃では3安打を放つなど今大会は11打数7安打で打率.636と活躍したが「無駄な四球が多かった。夏に向けてコントロール良く投げられるように頑張りたい」と見据える。
兄は巨人の太田龍。この日に右肘関節手術を受けた「龍」を、「虎」が投打での活躍で励ました。
【太田選手の紹介】
175センチ75キロ 左投げ左打ち
スライダー・カーブ・チェンジアップ
セットから軸足の重心を落としつつグラブを前に出し、軸足のバネと前に出した右腕の勢いを利用し左腕を前のめりに振り下ろすフォームから最速144キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。
ダイナミックなフォームから繰り出される力あるストレートを軸に、横に逃げるスライダーと緩いカーブ、さらに低く落ちるチェンジアップで打ちとっていきます。
特に右打者にとっては自分に向かってくるフォームに膝元に鋭く落ちるチェンジアップとのコンビネーションが非常に有効で、高速チェンジを警戒すると非常に落差のあるカーブでタイミングを外し見逃しを奪います。巨人に在籍する太田龍選手の弟ということもあり、兄弟そろってのプロ入りが期待されます。
【指名への課題】
フォームがダイナミックで動きが多い故にリリースが安定せず、どうしても制球がばらけるので狙ったコースに投げられるケースは少なくなっています。クイックになってもフォームはあまり変わらないためリリースまでに時間がかかるため、スピードを優先した結果タメがつくれず、球速が130前後にまで落ち込みます。
変化球の制球もさらに悪化するため、緩い変化のスライダーや小さく変化するチェンジアップが長打コースに集まりやすくなり、なおかつ制球が悪化するためバッター有利のカウントになるため自滅もしやすくなります。安定してカウントを取れる球種が無いため、どうしてもリードが難しい投手となっています。
【指名順位予想】
制球があまりよくないことと、目に見えて売りになる球種が無いこと。そしてあまり身長がないため、現状では上位指名は望めません。左に対してはスライダーの制球があまりよくないためどうしてもストレート一辺倒になりがちな点が課題です。一方で右に対してはストライクコースでも打者が仰け反る動作を見せるなど威力があり、アウトコースへのカーブや膝元へのチェンジアップと攻め方が豊富なため、左に対しての対応に希望が見えれば指名の可能性も出てきます。
フォームに癖があるため伸びしろという点で足を引っ張っており、安定してカウントを取れる球がないため現状では指名漏れの可能性が高くなっています。スライダーの制球がよくなれば育成2~3位が指名候補となります。