今年の箱根駅伝の復路は青山学院大が優勝を果たした。往路では12位だったが、復路では盛り返しして、総合4位まで這い上がった。
そして、硬式野球部は日本の大学球界を代表する名門だが、この春から一部リーグで戦う。主将を務める泉口 友汰(大阪桐蔭出身)は昨秋のリーグ戦では、打率.343、1本塁打、9打点と好成績を上げ、さらに守備力も高いショートストップ。さらに首位打者・山田 拓也(東海大相模出身)、井上 大成(日大三出身)は、埼玉西武の2年目右腕・井上 広輝(日大三出身)の兄として知られ、U-18代表も経験している。
さらに東都二部で通算7本塁打を放ったスラッガー・片山 昂星(東海大菅生出身)、最速151キロ右腕・森 圭名(富山第一出身)も二部通算8勝、防御率0.98を残した右腕だ。
それ以外にも逸材が多く、近年のリクルートの充実ぶりはなんとしても名門復権をさせようという意気が感じられる。
【井上選手の紹介】
181センチ83キロ 右投げ左打ち
ポジション:ライト
大学通算3本、遠投120mの強肩外野手。高校まではサードで起用されていましたが、50m6.0秒の俊足などの高い身体能力を活かし、大学では外野手に転向。主にライトで起用されています。
高校時代よりスイングスピードの速さを評価されており、4割を超える打撃力も加わり、大学では1年春からDH・ファーストスタメンで起用。2年生からライトスタメンで本格的に起用されると、俊足を活かした1番、バットコントロールを活かした3番・5番で起用され、打率も通算.281と中距離の巧打者として結果を残しています。
特にレフト・センター方向への流し打ちが上手く、強肩巧打の左打ち外野手としてさらなる飛躍が期待されます。
【指名への課題】
インコースへの対応に課題を残しており、特にインハイへのストレートに手を出す際、カットしようとするも打つ際に上半身が捻り切れず、投手側に体が開いたような状態で打ってしまっています。このためボールをライト方向に流せず、ファールにできずに投手正面への弱いゴロとなってしまい、インコースに投げればまず長打は打たれないウィークポイントになっています。
インコースをヒットにするのは天性の才が必要ですが、インコースをカットする技術は戦力として計算するためには必要な技術であるため、インに投げればまず打たれないと認識されれば容易に打ち取れるようになってしまいます。
【指名順位予想】
外野手で巧打型が認められるのはセンターを守れる選手である、レフト・ライトであれば身体能力型・長打力がないと指名は厳しいものとなっています。井上選手は通算3本で、左打ちでレフト・センター方向の安打が多いためあまり長打になっておらず、現状では中距離打者止まりです。井上選手のポジションはライトのみとなっているため、そうなると長打が明らかに足りていません。
現状の評価では指名漏れの可能性が高くなっています。ライト守備の動きも決して上手いほうではありません。長打が大きく伸びる可能性よりも、巧打型でチャンスメーカーとして期待されるほうが起用の可能性がある選手のため、通算4盗塁と俊足面のアピールが少ない点からも、足のアピールが必要となります。
同じライトで巧打型の左打ち外野手で18年楽天7位・小郷選手がいますが、小郷選手も通算6本と本塁打は少なかったものの、23盗塁と足でアピールしており、スカウトも足を評価していました。今年のリーグで合計10盗塁は決めたいところです(5月5日時点で1盗塁)足のアピールがあれば7~8位が指名順位となります。