<首都大学野球:帝京大2-0桜美林大>◇第1週第1日◇10日◇大田スタジアム
プロ入りを目指す帝京大の岡野佑大投手(4年=神戸国際大付)が、2度目の完封勝利を挙げた。被安打4の2四死球、4奪三振と打たせて取る投球で、開幕投手の役割をしっかり果たした。「下から浮くイメージの直球で、ファウルを打たせることができた。回を追うごとに取れたので、よかった。(完封は)終わってみて、良かったなという感じ」と話した。
投球スタイルのお手本は、ソフトバンク千賀。高校時代の体重は63キロだったが、今は176センチ、86キロとパワーアップした。「心配性でビビリ。お化け屋敷も、ジェットコースターも無理」という性格で、回りに止められるまで練習を続ける努力家だ。
高校の1学年上には、ドラフト1位で巨人入りした平内がいた。「プロは絶対に行きたい場所。悔いなくやりたい」と今秋ドラフトを見据えている。
【岡野選手の紹介】
176センチ81キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップ
セットから足を上げ切ったところでグラブを小さくバウンドさせタイミングを狂わし、大きく振り下ろすオーバースローの角度から投げ込むフォームから最速149キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む右腕投手。
角度あるストレートを中心に、膝下まで落ちる直角のフォーク、縦のスライダーと緩いカーブに外に逃げていくチェンジアップで打ちとっていきます。
チームでは主に先発で起用。3年次に故障で離脱するも、リハビリ期間にウェートトレーニングに取り組んだことで下半身強化に成功。ストレートの切れが増し、7試合で3勝2敗防御率2.31と先発として結果を残しています。
【指名への課題】
いいときと悪い時の違いは武器の一つであるスライダーの変化量。いい時は膝元からフォークの角度まで大きく変化し、ストレートとの組み合わせで打者を翻弄します。しかし調子が悪い時はスライダーが中心に集まりバッターが手を出しやすい位置に落ちてしまうため、これを無理に逆らうことなく軽打されています。
また悪い時はストレートの伸びもいまいちで、打者も微妙なコースはしっかりと見逃すようになっています。調子がいいときと悪い時の投球の質が目に見えて違うため、悪い時は変化球で空振りがあまりとれておらず、打ち損じ待ちの苦しい投球内容となっています。
【指名順位予想】
OBであり今年の1位候補である広畑選手のように社会人で急成長を遂げる路線を期待したいところですが、ムチのようにしなる柔らかい腕を持っていた広畑選手に比べると、素材面では見劣りしてしまいます。
調子の波によって投げる球の質が明らかに違うため、調子がよいときの球を平常時にも安定して投げられるようになれば、即戦力候補のひとりにもなりえます。後は対右にカーブの精度アップとストレートの球速アップも出来ればなおよしとなります。
現状では6~7位指名候補となります。