「全日本大学野球選手権・1回戦、国際武道大5-3桐蔭横浜大」(7日、神宮球場)」
桐蔭横浜大・菊地大稀投手(4年・佐渡)は5回2/3を投げて5安打2失点9奪三振と、全国舞台で“復活”の足掛かりをつかんだ。大事な初戦のマウンドを託されると、きっちりとゲームメーク。右足首のじん帯を痛めた影響もあって出遅れていたが、斉藤博久監督は「力のあるピッチャー。及第点だったと思います」と敗戦の中での収穫とした。
高校時代から最速145キロの剛腕として注目を集めていた。プロ志望届を提出したものの、指名漏れ。佐渡島出身で初のNPB入りに期待が懸かる右腕として、大学ラストシーズンとなる秋も注目が集まる。
【菊池選手の紹介】
186センチ90キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ
セットから軸足の重心を落とし、上半身を少し反らし高い位置から振り下ろすフォームから最速150キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。縦と横に逃げる二種類のスライダーに大きく弧を描くブレーキの利いたドロップカーブを駆使し打ちとっていきます。
このスライダーとカーブの精度とキレが非常に高く、右打者に対してはインコースを使わずアウトコースへの二種のスライダーとカーブで大半を打ちとってしまうほどのものであり、左に対しても落差のあるスライダーとカーブの見極めが難しく、そこに140中盤のストレートを投げ込まれ多くの打者が芯を外された打撃をしています。
右足首のじん帯を痛めた影響で4年春は2試合の出場にとどまりましたが、右殺しのスライダーとカーブを持つ大型右腕として今後の復活が期待されます。
【指名への課題】
クイックになると上半身と下半身の連動が綺麗につながっておらず、踏み込んだ足が完全に地面についてから腕を振り始めるため、下半身の勢いを上半身の動きに反映できておらず、上半身を使った手投げのようなフォームになっています。
手投げとなりリリースが安定しないせいで、スライダー・カーブに比べコントロールがよくないストレートが意図せずシュート回転したり逆球になる場面が多々見られ、ストレートを決め球に使えないのもスライダー・カーブの割合が非常に多い原因となります。ストレートのシュート回転をコントロールできていないため右打者に対しインコースを使えず、チェンジアップの精度も安定していないため、右打者のインコースを攻めるための球の精度アップが鍵となります。
【指名順位予想】
決め球となる変化球が2種類あるのはプラスポイントですが、一方で投球の軸となるストレートのコントロールが乱れがちなのは課題となります。右足首のじん帯故障からの復帰登板であったため、4年秋にどれだけ調子を取り戻せるかが鍵。また4年春時点で合計登板試合はたった8試合と実績不足が否めず、イニング数も平均4~5イニングと少なめ。
ストレートのコントロールが安定すれば5~6位の下位指名。現状では素材型の評価となります。ストレートのコントロールが安定せず、カーブ・スライダー頼りになれば育成1~2位と順位はかなり下がります。