読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

次の1軍投手候補は現れるのか。巨人の1軍見登板選手の現状について【右腕投手編】

 

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 21年育成7位の戸田選手が支配下昇格後中継ぎとして起用され、敗戦処理だった田中豊選手が2軍で先発経験を機に覚醒。20年は4.88だった防御率は1.99まで改善し、勝ち試合でも起用されるほどになりました。故障に手続きで離脱が続いたデラロサ選手に代わり、スライダーの制球が改善したビエイラ選手が守護神として定着。

 一方で大竹選手が故障続きで現在も故障中。FAで獲得した井納選手は新戦力発掘を目的とした練習試合で炎上。即戦力として期待した1位・平内選手と4位・伊藤選手はともに2軍暮らしが続いており、マイナス要員のほうが大きくなっています。

 そこでファームで登板している右腕投手の現状と、1軍台頭が期待できるかどうかに触れていきたいと思います。今回は新戦力の台頭について触れていますので、1軍登板未経験の投手、さらに1年以内に1軍登板の可能性が低い高卒1年目は除外し、それ以外の選手にのみ触れていきます。

 

 

 

 【①:山崎 伊織選手】


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2軍成績:なし

 怪我がなければドラ1と言われた東海大卒の右腕投手。大学時代に肘の故障後、当初はPRP治療による早期復帰を計画していたが、状態が改善せず4年生のころにTJ手術を決行。プロ入り後も1年は投げれないとされていたため社会人就職を表明していましたが、一転プロ志望を表明。その後2位で入団しました。

 スカウトは秋ごろに復帰登板を見込んでいたようですが6月時点でキャッチボールに進んだ段階のため、本人は来年の頭復帰を目標に動いています。球団youtubeから立ち投げの段階まで進んでいますが、本人も2年間投げれていないためまだ満足な球は投げられていないと語っています。

 このため勝負は来年と語っており、今年度戦力となる可能性は0となっています。

 

 

【②:伊藤 優輔選手】


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2軍成績:14試合0勝2敗26奪三振16四死球12失点 4.71

 即戦力候補として入団した最速150キロの右腕投手。1軍キャンプで抜擢されるも途中で3軍に降格。5月15日に2軍デビューを果たし、その後は先発・中継ぎ両面で起用されています。

 しかし四死球の多さからもわかるとおり制球はあまりいいほうではなく、6月29日を最後に2軍でも登板していません。戦力発掘を目的としたリアルジャイアンカップにも呼ばれておらず、故障中と思われます。奪三振率は高く中継ぎとしての素質は持っているため、今年は2軍メインとなります。

 

 

【⓷:太田 龍選手】


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 19年2位で入団した大型右腕。1年目はアマチュア時代に調子を大きく崩していたのもあり、2軍ローテとして登板しながら17試合で防御率4.08と不本意ながらも実績を積んでいきました。

 勝負となる2年目でしたが、2月に足の故障で3軍に降格。さらに4月にネズミ除去を目的とした右肘関節手術を実施。キャッチボールまでに2か月を要するため、こちらも今年は1軍登板の見込みは0となっています。正直なところ首脳陣からの評価は絶望的な状況になっているため、育成落ちの可能性すら出ています。

 

【④:山川 和大選手】


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2軍成績:なし

 16年ドラフト組で支配下昇格していない選手のなかで最後の生き残りの投手。166センチと小柄ながらも育成3年目に2軍先発として定着。4年目も最初は調子を落とし3軍調整が続きましたが、最終的に17試合で2.50に落ち着きました。

 しかし今年は紅白戦で2回5失点と炎上。その後3軍でも登板することがなく故障かと思われましたが、5月22日の3軍戦でその原因が判明。以前のフォームでは球速が出せなくなり、コーチと相談した結果フォーム改造を結構。それもアンダースローに挑戦という大きな賭けに出ました。現在は現在時代にアンダーに近いフォームで投げていた会田コーチとともにアンダースロー固めに勤しんでおり、22日の試合ではアンダースローで1回無失点となりました。

 今年で育成5年目となり戦力外の可能性も出てくる年。去年から巨人は中堅層を早めに戦力外にする方針を打ち出しており、山川選手もその候補となります。今年だめなら厳しいですが、7月末時点で2軍登板を果たせていないことをふまえると支配下昇格の可能性は低く、厳しい立場となっています。

 

 

【⑤:平井 快青選手】


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2軍成績:なし

 今年で育成3年目となる右腕投手。しかし高卒とはいえ2軍での登板は3試合に留まっており、今年はまだ3軍のみとなっています。球速は140後半を記録するようになったものの、44イニング29四死球と制球の悪さはまだ改善されていません。基本構えたところには投げれず高め中心で力押ししていく投球のため、2軍になるとみられてしまい死四球連発からの自滅に繋がっています。

 安定してカウントを稼げる球がないため、スライダー・カット系を使えるようにならなければ、中継ぎとしてはいつまでたっても計算できません。

 

【⑥:田中 優大選手】

2軍成績:なし

 17年育成4位で入団したサイドスロー。お化けスライダーと称されるほどの変化量のあるスライダー、さらに投手経験が少なく消耗が少ないことから、素材型として期待され入団しました。

 しかしピークは1年目は、2年目からは肉体の成長によりフォームのバランスを崩し、もともとよくなかったコントロールがさらに悪化。その後も立て直せておらず、3軍成績も10試合で防御率6.08と目も当てられない成績となっています。17年育成組で唯一戦力外になっていない選手ですが、3軍では高卒1年目の笠島・木下選手よりも登板イニング数は少なく、残念ながら戦力外候補となっています。

 

 

【⑦:與那原 大剛選手】


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2軍成績:4試合1勝1敗6回7奪三振四死球失点 防御率9.00

 

 19年にTJ手術を行い現在は2軍で先発として起用されている大型右腕。トルネード投法が大きな特徴ですが、トルネード投法というには上半身を横に捻る程度のため、トルネードの特徴である体の捻りを使った勢いのある投球はあまり見られません。また武器となる変化球がないため、クイックになると140前半のストレートに打ち頃の変化球となり一気に崩れる展開が多くなっています。

 今年で6年目となり戦力外もちらつく年齢になっています。去年はトミージョン手術明けということで待ってもらえましたが、今年結果が出なければ戦力外の可能性が高くなっています。

 

【⑧:堀田 賢慎選手】


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2軍成績:なし

 

 ドラフト1位で入団も新人合同練習中に関節を故障。その後TJ手術を実行したことで、高卒ドラ1が1年目でTJという異例の事態となり、スカウト部長が更迭される騒ぎとなりました。

 投げ込みが出来なかった去年は下半身強化を中心にこなし、現在はブルペン投球ができるまで回復しています。まだ30球程度に抑えていますが、年内の復帰登板を見込んでいます。しかし2年ものブランクがあり時間がかかることを前提に育成再契約としているため、高卒であることからも無理をさせず来年にお試し登板という可能性もあります。 

 

【⑨:山崎 友輔選手】


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2軍成績:14試合0勝4敗28(2/3)回16奪三振20四死球26失点 7.22

 育成10で入団した2種類のスライダーが武器の大卒右腕。大卒ということもあり当初から2軍戦で起用され、先発・中継ぎ両面で起用されています。

 しかしファーム投手陣の故障が相次ぎ試合を回すため先発の翌日に中継ぎでも登板するといったフル動員で起用された結果、見事に調子を落とし5月23日の楽天戦以降2軍では登板していません。

 ストレートが130後半しかないため、単純にストレートを狙い撃ちされ長打にされています。球速がないうえに引き出しが少ないために、どうしても相手打者はしっかりと打つことができています。全体的なレベルアップが求められるため、1軍と見込めるのは早くても2年後になりそうです。

 

【⑩:奈良木 陸選手】


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2軍成績:なし

 育成9位で入団した最速151キロ、2種類のカットボールが武器の右腕投手。大学ではほとんど登板がなかった隠し玉ながらも、3軍との練習試合でスカウトの目にとまり指名となりました。

 キャンプ中に故障した太田龍選手と入れ替えで2軍昇格の情報が出たことで期待されましたが、まさかの5月にTJ手術を実行。育成10位とはいえ、2年連続で入団1年目の選手がTJを受けることとなり、スカウト体勢の見直しの可能性もあり得る展開となっています。

 TJを受けると2年はリハビリに要するため、育成3年目まで登板が見込めないこととなり、かなり危うい立場となっています。