「高校野球岡山大会・3回戦、おかやま山陽10-0岡山学芸館」(18日、倉敷市営球場)
岡山学芸館のプロ注目の最速148キロ右腕・仲村竜投手(3年)が、頭部に打球が直撃するアクシデントに見舞われ、そのまま救急車で搬送された。
初回1死、2番打者のピッチャー強襲ライナーが頭部に直撃。仲村は倒れ込みながらもボールを目で追った。痛みも感じなかったといい、とにかく「取ってくれ!」と願っていたという。一度はマウンドに戻ろうとしたが、審判にうながされてその場にしゃがみ込み、担架でベンチ裏へ。周囲の声にもはっきり反応し、本人も続投を望んだが、医師からストップがかかり、頭部を固定されたまま救急車に乗り込んだ。
検査を受けて後、五回裏の攻撃時にベンチに戻った仲村。「沈んでいても仕方ない。声を出して、少しでも元気づけたい」と、大量リードを許した中で必死に声を張り上げた。
試合は2番手の左腕・西村陸努投手(3年)が相手打線に捕まり、無念の5回コールド負け。仲村は「西村は踏ん張って投げてくれた」と、Wエースとしてともに戦ってきた仲間に感謝の言葉を贈った。
この日はスカウト7球団が視察に訪れた。試合後、目を真っ赤に腫らした仲村は「僕に出来る事は次のステージに向けて練習すること」と、周囲と話し合って決めるとしたが、プロ志望届を提出する意思を示した。
【仲村選手の紹介】
186センチ80キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・スプリット
セットから大きく足を上げ、投げる瞬間に上半身を捻り腕を高い位置に置き、そこから振り下ろすフォームから最速148キロ、常時130後半のストレートを投げ込む右腕投手。角度あるストレートでガンガン押していきながら、縦の緩いスライダーに小さく落ちるスプリットを武器に打ち取っていきます。
リリースポイントが高く抜け球が多いという課題が多かったものの、重心移動を改善したことで制球が改善。ストレートの球威もまし大きく注目されるようになりました。
チームでは主に先発で起用。作陽高相手に9回無失点で完封勝利を遂げるも、2回戦でピッチャー強襲を頭部に受け無念の降板。敗退後にプロ志望を表明しています。
角度あるストレートに精度の高い変化球を高く評価されており、監督からもまだ発展途上で23~24歳で完成する選手だと評価されており、大きな伸びしろが期待されています。
【指名への課題】
股関節が固くリリースする際の踏み込みが浅いために、リリースするタイミングが早めになる高めに抜けてしまうことを課題にあげています。またスタミナがあまりないため、スタミナが切れてくるとリリースが早くなるうえ下半身の動きが悪くなり、球が全体的に高めに集まるようになります。
非常にバランスが重要なフォームですが、まだまだ体も細くこれから体が大きくなっていく中で体のバランスを崩し、制球が悪化する可能性があります。
【指名順位予想】
素材型としての評価は高いものの、スタミナ不足や下半身の強化。さらに大きな武器となる変化球がないため、落ちる球の精度向上といった数多くの課題を抱えています。高卒であることを考慮してもすぐに出てくるタイプではないため、上位指名の可能性は低くなっています。
しかし長身オーバースローにしてはコントロールはあまり悪くないため、コントロールを持ち合わせた素材型の評価として育成2~3位が指名順位となります。