広島新庄のプロ注目右腕・花田侑樹投手(3年)は好投も実らず、初戦で散った。強打の横浜打線にも屈することなく立ち向かった。「後ろにはいいピッチャーがいるので、1つずつアウトを積み重ねて全力で投げていこうという気持ちでした」。最速144キロの直球と変化球をコントロール良く投げ分け、スコアボードに0を並べた。7回の先頭に四球を与えた場面でマウンドを譲ったが、7回途中5安打無失点と力を発揮した。
今春センバツは上田西戦に先発し、8回途中を無失点で初戦突破に貢献。しかし、その後は調子が上がらず、広島大会では、16回を12安打7失点と苦しんだ。まさかの逆転3ランでサヨナラ負けとなったが、「甲子園をずっと目標にやってきたので、いい結果になった。特別な場所。投げやすかった」と振り返った。今後の進路については「まだわからない」と話すにとどめた。【林亮佑】
▽ヤクルト橿渕スカウトグループデスク(花田について)「いい投手だと再認識した。ピンチでスイッチが入ると、内角へ直球も変化球もどんどん投げ込んでいて、さらに投げミスも少ない。勝てる投手の要素だと思う」
▽阪神山本スカウト(花田について)「球にキレがあったし、カーブやスライダーもキレがよく、制球も安定していた。広島大会の時よりよかった。体ができてくれば楽しみな素材です」
▽巨人渡辺スカウト(花田について)「投手らしい投手。インコースも突けていた。全体的な制球、キレ、バランスもいい。体ができてくれば、全体的にもっと上がってくる」
【花田選手の紹介】
182センチ75キロ 右投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・カット・フォーク
ワインドアップからゆっくりと投球フォームに入り、リリースする瞬間に力をこめて腕を振るフォームから最速146キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。球速以上に伸びがるストレートで強打者を押し込んでいき、縦のスライダーにブレーキの利いたパワーカーブ、左打者のインコースに食い込むカットボール、さらに決め球として使う鋭く落ちるフォークで打ちとっていきます。どの変化球も精度が高く、体の細さもあり伸びしろも高く評価されています。
チームでは先発として起用。左腕・秋山選手とともにWエースとして広島新庄を支え、地方予選では初戦以降16安打7失点と調子を落としながらも横浜高相手に7回途中5安打無失点と好投しています。
また打者としても4番に座り、鋭いバッティングで夏の地方予選では9打点2本塁打を記録。投打ともに注目されている選手として指名候補となっています。
【指名への課題】
打撃については春よりも大ぶりで粗が目立つ打撃となっており、フォームも春より常に動き続けるためスイングもぶれやすくなっています。またバットを寝かせてからスイングするため上半身がぶれてスイングが安定せず、芯に当たったヒッティングが少なくなっています。
また投手としてはフォームに癖もなくクイックでも大きく制球は乱れないものの、70球を超えてくると抜け球が目に見えて増えています。そのためフォークは使えなくなり、右打者に対してはインハイに抜けるため要求できるコースも限定されます。スタミナアップが今後の課題となります。
【指名順位予想】
春から球速の伸びが少ないため、一気に成長するタイプではなくしっかりと体を作り全体的に少しずつ伸ばしていくタイプとなります。投手と打者ならば現状では投手としての評価が高くなり、本人も投手のほうが自信があると語っているため、獲得するとしても投手となります。
しかし大きな課題もなくフォームもキレイ。さらにまだ体の細さもあり体が出来ればさらなる伸びしろも期待できるとして、指名順位は3~4位となります。