読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

制球の良い小柄な右腕 前橋育英 外丸 東眞選手 高卒右腕投手

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台風が迫る群馬は雨のち晴れだった。5点をリードした延長12回。エースの外丸は熱気に包まれたマウンドで自らに言い聞かせた。
 「冷静に。目の前の一球に全力」。最後の打者を右飛に仕留めると、高く跳ねた。12回、166球を投げ切り、感情が爆発した。

 「優勝することができて本当にうれしい。(心が)折れた方が負けだと思ったので我慢強くピッチングしました」。全6試合に先発し、計42回1/3を投げて7失点。わずか1失策の固い守りが打たせて取るスタイルの外丸を支えた。

 決勝の相手は16年から3年連続、決勝で勝っていた高崎健康福祉大高崎。最速144キロを誇る右腕は直球にカーブなど変化球を織り交ぜ4安打1失点で完投し、返り討ちにした。荒井直樹監督は「延長に入ってからはこの子で心中しようと思った。今日が一番いい投球だった」と今大会571球を投げ抜いたエースを称えた。

 両親とともに一塁側のスタンドで観戦した3学年上の姉・理子さんも同校出身。吹奏楽部のホルン担当でセンバツを含めて4度も甲子園で演奏した。外丸は中学1年の夏に姉の演奏が響く甲子園を訪れ「何が起こるか分からない、簡単にはいかない場所」と感じた。2年前の夏の甲子園はスタンドで見守り、雰囲気はつかんでいる。

 練習後の疲労が溜まった状態でダッシュを繰り返し、スタミナをつけた大黒柱。初めて選手として立つ甲子園に「自分たちの野球をして日本一を獲りたい」と力強く言った。

前橋育英エース・外丸東眞「簡単にはいかない場所」 吹奏楽部の姉が4大会経験した聖地に挑む心構え― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

 

 

【外丸選手の紹介】

 

172センチ72キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ・カットボール

 

 セットから軸足の重心を落とし、オーバースローよりも低い角度からしなりを効かせた腕の振りで最速144キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ中盤の縦のスライダーに小さく弧を描く120のカットボールをメインに打ち取っていきます。

 チームでは主に先発で起用。コントロール良くコースにストレートを投げ込み、縦のブレーキの効いたスライダーで左打者のインコースで空振りを誘い、右打者にはカットボールで打ち損じを誘います。

 夏の地方大会では6試合すべてで先発で起用。42(1/3)回を投げ32奪三振四死球7失点で防御率1.48と好成績を残しています。

 

【指名への課題】

 外丸選手の持ち球は全体的に球の軌道や球速差に大きな差がないものが多く、甘いコースに入ったり変化球がスライダーはきちんと指にかかったものはブレーキがきいて大きく弧を描く武器となる変化をしますが、あまり変化せずカットボールに近い軌道になるスライダーは振りぬかれ長打にされています。

 ストレート・スライダー・カットがメインで指にかかったスライダーだと差別化できる変化球となりますが、ストレートは角度で押し込むタイプでなくコースを狙うタイプの制球重視であるため、スライダーが本来のキレでなくストレートがコースに決まらないと、打ち返しやすいという課題をかかえています。

 

 

【指名順位予想】

 よくも悪くもまとまったタイプであり、大きな課題はないもののとびぬけて評価できるポイントもないため、ドラフト候補として見るにはまだボリューム不足。コントロール自体はいいため、コントロールはいまのままで平均球速が140中盤になり、変化球の種類をあと2球種増やせれば上位候補になれます。

 このため現状では指名漏れの可能性が高い選手。前橋育英では外野手の皆川選手がプロ志望を表明しているため、外丸選手は進学先で即戦力を狙いたいところです。