読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

鍬原・喜多選手の支配下契約を発表。支配下の背景と戦力外への影響は

 

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巨人は30日、育成選手の鍬原拓也投手(25)、喜多隆介捕手(23)と支配下選手契約を結んだと発表した。

 背番号は鍬原が「029」から「46」に、喜多が「027」から「94」となる。

 鍬原は「再び支配下登録していただき感謝しています。喜びと同時により一層やらなければいけない立場だと再認識しました。育成の時の気持ちを忘れずに精進していきます」とコメント。

 喜多は「支配下登録していただき本当にうれしいです。支配下選手として責任感を持ち、さらにレベルアップを目指して一日でも早く一軍の戦力になれるよう頑張ります」とコメントした。

 鍬原は北陸高、中大を経て17年ドラフト1位で入団し、1軍通算26登板で2勝3敗、防御率6・04。昨夏、右肘骨折の重傷を負い、今年から育成選手としてリハビリを乗り越えて復活した。

 喜多は小松大谷高、京都先端科学大から昨年の育成ドラフト2位で入団したルーキー。強肩が武器でイースタン・リーグでアピールを続けていた。

【巨人】鍬原拓也、喜多隆介を支配下登録 背番号は鍬原46、喜多94(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

 

 

 【鍬原選手・喜多選手2名の支配下契約を発表】


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 8月31日が支配下登録の期限となる中、30日に鍬原・喜多選手の支配下登録を発表。鍬原選手は去年の8月頃に肘の手術を行い、リハビリに時間を要することからオフに育成再契約。喜多選手は20年育成2位指名で入団した大卒捕手となっています。これで巨人の支配下枠は上限となる70名に到達しています。


【なぜ支配下となったのか】

【鍬原選手の場合】


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 鍬原選手は現在先発起用されており、楽天戦では7回2失点と好投しています。しかし投手の支配下候補は鍬原選手のほかに、関節唇損傷から復帰し、2軍でリリーフ登板している谷岡選手がいます。谷岡選手は復帰当初は140前半しか出ておらず、復帰こそできたが支配下は難しいとみられていました。しかし球速も常時140中盤を記録するようになり、2軍で29試合に登板し防御率1.35を記録している貴重な中継ぎ候補。桜井選手が中継ぎ登板しているような層の薄さで、なぜ谷岡選手でなく鍬原選手だったのでしょうか

 

【先発候補になりうる2軍投手の少なさ】


 中継ぎは薄いものの、2軍では古川選手が150キロを連発するほど調子を上げており、大竹選手が実践復帰。リハビリ中の野上選手がいます。谷岡選手を支配下せずとも、少なくともこの3名は1軍中継ぎとして起用できる可能性を残しています。

 一方で先発については、2軍の先発ローテは鍬原ー戸根―井納―横川―ダニエル-山本―直江。当初ローテを守っていた井上選手は肘の手術で今季絶望。太田選手も相次ぐ故障でようやく3軍復帰を果たした状態です。
 井納選手も1軍戦力として見込めず、2軍でイニングイーターとして投げているのが現状。菅野・直江選手の相次ぐ炎上に、先発転向で好投している戸根選手を1軍ローテに組み込む再編案を示唆。横川選手もフォームが日に日に変わる迷走状態になっており、1軍ローテもサンチェス―メルセデスー戸郷ー高橋ー菅野と、球速も戻っていない菅野選手を加えなければならないほどの薄さとなっており、1軍先発の可能性がありうる鍬原選手が優先されています。

 

【喜多選手の支配下理由】


【即起用でなく故障の保険】


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 厳しい言い方ですが、喜多選手はまだ1軍スタメンを勝ち取れる立場ではありません。2軍では阿部監督の信頼を勝ち取り、岸田選手と並びスタメン起用の機会が増え、炭谷選手移籍後に岸田選手が1軍帯同の今、2軍で正捕手の立場となっています。
 去年炭谷選手が終盤に故障し、小林・大城・岸田選手の3名体制で終盤を戦い抜きました。しかし炭谷選手がいない今、この3名の誰かが故障した場合、ファームから上げられる捕手は山瀬・萩原選手の2名のみ。しかし萩原選手は捕手よりもDHやファーストで起用されることが多い状態であり、あげられる候補が高卒2年目でまだ打撃は2軍でも厳しい山瀬選手のみとなります。
 このため喜多選手を支配下にしておき、終盤に捕手で故障者が出た場合の保険として起用されることになります。岸田選手も1軍では敗戦時のお試し起用に留まっており、喜多選手が優先して1軍機用される可能性は低くなっています。喜多選手の支配下は萩原選手が捕手として見込めないことを意味しており、コンバートの可能性も出てきています。

 

【戦力外数への影響】


 70名となったことで、気になるのが戦力外。ドラフト+助っ人外人枠+育成昇格枠として、最低でも8枠は開ける必要があります。
 捕手は3軍含めぎりぎりのため戦力外の可能性は低く、投手だと打撃登板以降音沙汰のない高木京選手、故障から全く調子をあげられず、変化球の精度が悪化したデラロサ選手。内野手で松井選手、外野手から立岡・石川・陽・選手。さらに育成再契約でサイドスローの挑戦している沼田選手、肘の手術以前から調子を落としていた井上選手。亀井選手は衰えによる成績低迷、大竹選手はまた故障で離脱なら引退の可能性もあります。