読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2つの角度を使い分ける左腕投手 金津 藤田 貴志選手 高卒左腕投手

f:id:okimono:20200419215438p:plain

今秋ドラフト候補の最速145キロ左腕、金津・藤田貴志(3年)が夏初戦の鯖江戦に先発。100キロ台のカーブとこの日最速141キロの直球、最大球速差40キロの緩急で勝負し、5安打10奪三振で1失点完投。2回戦に駒を進めた。
 「コントロール重視でキレを意識しました。初戦の緊張はありましたが、焦りはなかったです」

 昨秋福井大会2回戦の科学技術戦で8回20三振を奪った“越前のドクターK”は「夏の大会は省エネでいこうと思っています」と打たせて取る投球に徹した。四球はゼロ。9回にはギアを上げ、2者連続三振で締める余裕も見せた。

 6月、日本テレビ系「Going!」内の「亀梨和也 魔球プロジェクト」で巨人・菅野のスライダーの握りを真似してみたところ、偶然にカットボールを習得。この日も効果的に使い、鯖江打線に的を絞らせなかった。高校進学時は県内の強豪校から誘いもあったというが「僕は私立を県内の選手のチームだけで倒したい」と金津を選択した気概あふれる左腕。身長1メートル71と決して高くはないが「不利に感じたことはない。甲子園に行くのが目標」と拳を握った。

「越前のドクターK」金津・藤田が“亀梨&菅野効果”で10K、1失点完投― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

【藤田選手の紹介】


www.youtube.com

 

171センチ68キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・カットボール・チェンジアップ

 

 グラブを高く掲げたセットポジションから足を上げたところで一度タメを作り、そこから上半身の重心を低く落とし、低い位置から横手投げの腕の振りで投げ込むフォームから最速145キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。

 横の腕振りだけでなく、スリークォーターよりも高い振り下ろす角度からのフォームでも投げ込む二種類の角度を持った投手。元々投げ下ろすフォームで投げていましたが、2年秋にコースの勧めでサイドスローの挑戦。現在はサイドスローをメインにオーバースローでも投げ込んでいきます。

 オーバースローでは非常にブレーキの効いたカーブ、サイドスローでは右打者のインコースに食い込むストレートと横に落ちるスライダーで打ちとっていきます。

 チームでは先発で起用。福井大会では全4試合で先発し、33イニング2失点と好投。ストレートに力のある変則左腕として注目されます。

 

【指名への課題】

 まだサイドスローのコントロールが安定しておらず、ストレートは比較的制球出来ているものの、スライダーは低すぎるか打者に当たりそうなほどコントロール出来ていないかのため、サイドスローはほとんどがストレートととなっています。

 特にクイックになるとタメがなくなるためリリースするまでに体勢をしっかり固定できず、ストレートも高めに抜けることが多くなっています。

 オーバースローフォームはストレートを投げることはほとんどなく、大半がスライダー・カーブのみ。サイド・スリークォーターだとストレート、オーバースローだとスライダー・カーブといったフォームによって扱える球種が限られるため、どの球種を評価するかでどう育てるかも変わってしまい、見通しが立ちにくいのも獲得の障害となります。

 

 

【指名順位予想】

 2年秋からジムで肉体改造に取り組み、最速を137から145キロと8キロアップに成功しており、まだ体も細いことから伸びしろはある程度期待できます。

 しかし腕の角度で球種が絞り込めるのは大きな課題であるため、フォーム固めから変化球の精度アップと取り組む必要があることも多く、あまり身長がないことからプロ入り後はオーバーでなくサイドで起用される可能性が高くなります。

 サイドだと全体的に変化球の精度がいまいちなため、育成2~3位が指名順位となります。