◆大学野球オープン戦 ▽早大10―0玉川大(3日・早大安部球場)
大学最後のシーズンへ弾みを付けた。早大のMAX151キロ右腕・徳山壮磨(4年=大阪桐蔭)が、首都大学リーグ2部・玉川大戦でリーグ戦開幕前最後の実戦登板に臨み、5回を4安打4奪三振無失点に抑える好投を見せた。常時140キロ台後半を記録。自己最速へあと2キロに迫る149キロも計測し「ストレートをしっかり投げ切れた」と手応えを得た。
春の悔しさを晴らす。大阪桐蔭ではエースとして2017年にセンバツ優勝を経験するなど、実績十分で早大に入学。1年春からリーグ戦で登板し、3年秋までの通算防御率は1・59と安定感は抜群だった。しかし、今春リーグ戦では硬くなったマウンドに手こずり、防御率3・54。チームも5位と「いい春ではなかった」。この夏は、フォームを見直し、体の開きを修正。「春とは違って手応えを感じている」と自信をのぞかせた。
この日は、4球団8人のスカウトが視察。阪神・平塚スカウトは「球種を持っててピッチングができるのが強み」。西武・潮崎編成グループディレクターは「春先に見た時よりもだいぶスピードが戻ってきていた。これくらい投げられれば、上位クラスの評価できる」とその復活ぶりに高評価が相次いだ。
大学生活の集大成を示すシーズン開幕まで、あと8日と迫った。「まずはチームのために投げることを意識して、その中で評価してもらえたら。野球をシンプルに楽しみたい」。自分の将来よりも、まずは目の前の天皇杯を手にするため、懸命に右腕を振る。
【徳山選手の紹介】
182センチ83キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク
セットから右腕を背中側に落とし、そこから上半身の捻りとともに勢いをつけてスリークォーターよりも高い角度から振り下ろすフォームから最速151キロ、常時145前後のストレートを投げ込む右腕投手。130前後の縦のスライダーに、110キロ台のカーブ、さらに打者の手元で一気に落ちる130中盤のフォークでうちとっていきます。
チームでは主に先発で起用。1年春から中継ぎで起用されるようになり、2年秋から先発として本格的に起用されるようになると、3年春はコロナによる変則日程のなか2試合のみの登板になるも、2試合で1完封を含む無失点でベストナインを獲得。どの球種もコントロール良く投げ込めるため、四死球率の低さから試合を作れる安定感が魅力となっています。
【指名への課題】
高校時代からアウトコースへのコントロールがよく精密機械とさえ評されていましたが、そのころから期待されていたほど伸びていません。高校時代のフォームに比べ上半身が突っ込むようなフォームになっており、球速こそ平均4~5キロ伸びていますが、手にひっかかったストレートが増え球の伸びは落ちています。
またクイックになると上半身が突っ込みやすくなり、右打者に対しての変化球が早く変化してしまうため、変化球で空振りを奪える割合が落ちています
【指名順位予想】
しいて言えばフォークが武器ですが、大きな特徴と言えるほどではなく、伸び悩んでいるため4~5位が候補となります。しかしここで問題となるのが早稲田のドラフト選手に多い順位縛り。早稲田大の多くは3位以上で指名される選手が多く、4位以下で指名されることは稀です。去年であれば今西選手のように4位までで指名されなければ社会人といった順位縛りをしていることが多く、特に社会人で高く評価される投手はその傾向が強くなっています。
このため4位までで指名されなければ指名漏れの可能性も高くなっています。