読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2021年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  4位指名 東海大相模 石田 隼都選手 高卒左腕投手

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マウンド上の堂々たる姿とは対照的に、巨人ドラフト4位の東海大相模・石田隼都投手(18)は緊張していた。神奈川・相模原の同校で14日、水野スカウト部長、担当の円谷スカウトから指名あいさつを受けた。「緊張したんですけど、実感が湧きました」と気持ちを新たにした。

今春のセンバツではエースとして5試合、29回1/3を投げ、無失点で45奪三振で優勝。甲子園V左腕の巨人入りは、王貞治早実)以来となる。「伝説みたいな存在。すごい記録持ってる方なので、そういう人たちに近づければ」と大志を抱いた。感情を前面に出す、迫力満点のマウンド姿が持ち味。一方でマウンドを離れると、アニメ好きの一面も。「有名なところはだいたい見てます。特にエヴァンゲリオンは5周ぐらいはしてるんじゃないか」とあどけなく笑うギャップも魅力の1つだ。

手渡された色紙には、マジックで「一日一生」と書いた。今夏限りで退任した名将・門馬敬治前監督(51)から伝えられた言葉で、「ベストな1日を過ごして、まだ見えぬ明日につないでいく」という意味が込められている。1年目の目標は「1軍に上がって投げたい」。プロへ多くの選手を育て上げてきた名将の言葉を胸に刻み、新しい舞台での活躍を誓った。【小早川宗一郎】

巨人4位石田隼都「実感がわきました」指名あいさつで気持ち新た - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

【石田選手の紹介】


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183センチ74キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ

 

 セットから長い腕を大きく振り抜き投げ込むダイナミックなフォームから最速146キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。120前半の低めに変化するスライダー、100キロ後半スライダーと似た始動で緩急を感じさせるカーブ、の120前半の小さく沈み込んでいくチェンジアップで打ちとっていきます。

 チームでは主に先発で起用。選抜では5試合29(1/3)回をを投げ自責点0の防御率0.00を達成。チーム優勝にも大きく貢献しました。

 しかし最後のアピールとなる甲子園直前にチームでコロナが発生。出場辞退となり甲子園出場とはなりませんでした。

 

【なぜ指名となったのか】

 選抜で評価を大きく上げ、高卒左腕トップクラスの評価を得ていた選手。巨人も当初は上位指名候補で見ていましたが、甲子園を辞退してしまったため成長した姿をアピールする機会が失われてしまいました。

 また選抜後の6月に中京大中京との親善試合では130後半と選抜時からあまり大きな伸びはなく、コントロールも選抜時に比べばらけていたことがマイナスポイントとなりました。そもそも今年のドラフトは小園・森木・達・風間の高卒BIG4を除くと高卒投手はSB3位の北海・木村選手のみで4位まで全く指名されておらず、4位で秋山投手や羽田選手がようやく指名されています。指名順では先に来る西武は好素材の羽田選手を獲ったため、残っていた石田選手が指名されました。

 投手としての素質でみれば変化球のキレがよいタイプで、今巨人にいる若手高卒左腕は高身長の横川・阿部選手に癖のなさが評価された井上選手と、素材型評価の選手が多く、石田選手のように投げている球のキレが評価されている投手は少なく、2~3年後には出てくるタイプと評価されています。  

 

【1軍起用への課題】

 今後の課題はどれだけ平均球速を伸ばせるかになります。左腕とはいえ1軍戦力になるにはストレートが140中盤、変化球もスライダーやチェンジは130前後にまで伸びないと通用していません。特に石田選手はスライダー・カーブ・チェンジと変化球の種類が少ないため、平均球速をどこまで伸ばせるかがカギとなります。

 対右に対してはアウトコースを遠く感じさせるダイナミックなフォームから投げるストレートに膝元に落ちるスライダー、さらに外を空ぶらせるチェンジアップがありますが、左はどうしてもアウトコース中心となるため、他右打者のほうが得意なタイプの左腕となります。

 そのため左のインを意識させる変化球が一つあれば大きく飛躍できます。特にストレートが少し高めに集まりやすいため、対左の変化球開発が今後の課題となります。