名将に託された“魔球”を武器に、将来の先発ローテーション入りをにらむ。巨人6位の明徳義塾・代木大和投手(18)が18日、高知・須崎市の同校で指名あいさつを受けた。「試合を作るという面では自信は持っている。先発としてローテーションに入れるように」と誓いを立てた。
最速は143キロながら、制球に優れ、ゴロを打たせて取る投球が持ち味。スタイルの礎になっているのは、甲子園通算54勝を誇る馬淵史郎監督の教えだ。2年の夏前、「カットボール投げてみい」の一声をきっかけに新球習得へ着手。感覚をつかんだ秋は「最高のピッチングが出来たんじゃないか」と手応えを口にした。投げ込みの期間には週に750球ほど投げ、スタミナもついた。3年夏の甲子園では2本塁打を放ち、打撃センスも抜群だが「ずっと投手でやってきたので投手で行きたい」と投手1本を宣言した。
【代木選手の紹介】
184センチ83キロ 左投げ左打ち
スライダー・カーブ・カット
ノーワインドアップからゆったりとした始動でオーバースローよりも低い角度で上半身を突っ込ませ投げ込むフォームから最速143キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む左腕投手。120前半のスライダーに110キロ台のカーブ、さらに監督から習得を勧められたカットボールで打ち取っていきます。
チームでは先発と4番で起用。投打ともに高く評価されており、投手としては130中盤ながら自慢のコントロールを活かしたコースを攻めるストレートと、決め球となるカットボールで芯を外し打ち取っていきます。
また打者としては4・5番のクリーンナップで起用され、すり足で硬さが残りながらも3年夏の甲子園では2本塁打を記録。打者としても長打が期待されるバッターでありましたが、巨人では投手として入団となりました。
【なぜ獲得されたのか】
投手・野手どちらでの育成かが注目されましたが巨人は投手として指名。巨人はここ3年球速が武器の投手を獲得してきましたが、どれも制球難に苦しみ1軍起用の見込みがたたず戦力難となっています。
今年も1・2位の投手はパワータイプの投手をとりましたが、3位・4位・6位の投手はどの選手もコントロールが武器のタイプ。これまで巨人があまり獲ってこなかったタイプとなります。高卒ということで野手転向への潰しも利かせやすく、投手として期待した成長が出来なかった場合の起用法もあることから、下位での獲得となっています。
【1軍指名への課題】
課題の一つは球速の遅さ。球速は130中盤ながら打者を翻弄する同じ左腕のヤクルト・石川選手を理想像とされていますが、石川選手はスライダー・カーブ・チェンジに加えシンカー・シュート・フォーク・カットボールと数多くの変化球で翻弄し、持ち前のコントロールの良さも生かして打者を打ち取っていきます。
代木選手はスライダー・カット・カーブと持ち球が少なく、スライダー・カーブは変化量が大きく見れる球であるため、あと5~10キロは伸びないと今の持ち球では厳しく、加えて右打者のインコースを差し込めるチェンジアップも必要。
本人も制球を武器と豪語しているため、制球を活かすためには狙い球を絞らせないことが重要。荒れ球であれば球がばらけるためコースの予想がしにくい点がありますが、代木選手は球速が遅いため、変化球が少ないとコースを絞り込みやすい弱点となります