読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2021年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  2位指名 JR東日本 山田龍聖選手 社会人左腕投手

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巨人からドラフト2位で指名されたJR東日本(東京都)の最速153キロ左腕・山田龍聖投手(21)が、ホンダ熊本(大津町)との1回戦に先発した。8回に勝ち越しを許し、7回2/3を7安打3失点で黒星を喫したが、来季から本拠地となる東京Dのマウンドで10奪三振。“御前投球”で最速149キロをマークし、能力の高さを示した。

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 視察した巨人・水野スカウト部長「(先発として)もちろん期待はしてる。リリーフとしても考えられるし、どっちにしろ期待してる。東京ドームのマウンドは少し硬めだから、もう少し慣れたら、もっとリズムよく投げられるようになるし、球速も出てくると思う」

 

【山田選手の紹介】


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182センチ80キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・フォーク

 

 セットから体に隠れるように肘をたたんだ状態でテイクバックを小さくした腕の振りから最速152キロ、常時140後半のストレートを投げ込む左腕投手。非常に力のあるストレートを中心に、120中盤のスライダーと小さく変化する120後半のフォークで打ち取っていきます。

 チームでは主に先発で起用。高校時代より上位候補と注目されるも、JR東日本に入社すると周りとのレベルの違いに大きな壁にぶつかり、コントロールが悪化しスランプに陥ります。監督から今のままでは試合に出せないと打撃投手任命され、ストライクゾーンに投げ込む経験を積まされたことで制球が向上。都市対抗ではホンダ熊本戦で先発として起用され、7回途中3失点で勝ち投手にはなれなかったものの、自慢のストレートをアピールしました。

【なぜ指名されたのか】

 ドラフト1位で隅田選手を狙っていましたがクジを外し、外れ1位で原監督が欲しがった変則右腕である翁田大勢選手を獲得。もう一つの目標であった左腕投手の補強も必要でしたが、外れ1位候補にあげていた三菱重工West・森翔平選手や黒原選手、佐藤選手は2位指名時点で消えていました。

 この時点で残っていた上位左腕は山田選手に新潟医療福祉大・桐敷選手と創価大・鈴木選手。桐敷・鈴木選手は指名解禁年より前より安定した成績を残しており、安定性という点では山田選手より優れていました。山田選手は去年まで制球が安定せず試合では使ってもらえず、今年になり地方予選で好投したことで指名漏れ候補から上位候補にまで評価をあげました。

 まだ変化球の精度に課題はあるものの、ストレートは常時140中盤から後半とストレートの球威は左腕トップクラス。今の巨人はストレートで空振りを奪える選手がおらず、特に左腕は変化球主体・変則型が多く、パワータイプの補強となります。

 

 

【1軍起用への課題】

 ストレートはある程度制球出来ていますが、スライダーが回転数が1600台と回転数が低いためあまり変化しません。そのため落ち切らず高めに集まってしまうことが多いため、左投手にとって変化球の生命線であるスライダーが機能していません。そのためストレートは非常に球威がありますが、2巡目になるとタイミングが合うようになり打ち返される場面も増えています。

 またフォークについてはスライダーよりも低めに集まっているものの、リリースポイントが低いためあまり高低差がなく、低めを意識しすぎるあまり投げる瞬間から低すぎる球が多く、空振りを奪えていないほうが多くなっています。

 見逃しがあまり奪えていないことからも打者のタイミングを外す方法がなく、今後は変化球の開発が課題となります。