読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

回転数2900のスライダーが武器 JFE東日本 山田 啓太選手 社会人左腕投手

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第92回都市対抗野球は2日、東京ドームで大会第5日を行い、第1試合ではJFE東日本が日本製鉄東海REXに延長10回タイブレークの末7-3で勝利した。先発の1年目左腕、山田啓太投手が7回119球を投げ、4安打2四球7三振無失点の好投。落合成紀監督、コーチを兼任する元DeNAの須田幸太投手も絶賛するマウンドとなった。

初回にもらった2点のリードを必死で守った。7回には2死一、二塁のピンチを迎えるも空振り三振で切り抜けた。8回から登板した須田が3点を失い逆転を許して勝利投手とはならなかったが、落合監督を「新人離れした強心臓。本当に頼もしい限り」と感心させた。

 須田も山田啓について「ここ1か月のオープン戦はずっと調子が悪かったが、本番に強い投手なのでこれぐらいはやってくれると思っていた」と絶大な信頼を口にした。

 23歳のエースについて、落合監督は「普段の性格はマイペースでよく他の人に迷惑をかけているが、一旦マウンドに上がると性格が変わる」と評する。東海大相模高から白鴎大を経て入社。高校の1学年上には中日・小笠原慎之介オリックス・吉田凌らがいる。初出場となる都市対抗野球の舞台で大きなインパクトを残した。

元DeNA須田「これぐらいはやってくれる」 信頼寄せる新人左腕が7回無失点好投 | Full-Count

 

【山田選手の紹介】


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172センチ72キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ

 経歴:東海大相模ー白鷗大ーJFE東日本

 

 セットからゆっくり始動してから軸足の重心を落とし、左腕を背中側に大きく回した後に一気に踏み込んで左腕を振りぬくフォームから最速145キロ、常時140前半のストレートを投げ込む左腕投手。大きく外に逃げるスライダーに110キロ台のゆったりとしたカーブ、そして小さく沈み込むチェンジアップで打ち取っていきます。

 武器は回転数が3000に迫ることもある変化量の大きいスライダー。左打者からは大きく外に逃げるため芯に当てることが難しく、右打者からは遠いリリースポイントから一気にストライクゾーンにまで変化するため、見極めが難しい左右両方に使える球となっています。

 チームでは主に先発で起用。都市対抗では東海REX戦に先発し、7かい4被安打7奪三振で失点0と好投。後続が打たれ勝利投手にはなれなかったものの、予選ではあまり投げていなかったことから、即戦力先発候補として今後のさらなるアピールが注目されます。

 

【指名への課題】

 セットになると全体的に高めに集まるようになるのが課題の一つ。通常時は足を上げたところで一度静止し、そこでしっかりと体勢を整えてから踏み込んで投げるため、腕をしっかり振り切れています。左に対してはセットでもしっかり腕を振れていますが、右に対しては腕の振りが弱くなるためインコースへのクロスファイアが減り、アウトコース中心の投球となっています。そのため厳しいコースに投げざるを得ず、ボール先行になる場面もありました。

 また球種も左腕の多くが持つ3種のみ。フォームも少し癖はあるものの、タイミングが合わせづらい、出どころが見にくいのも多少で、そこまで変則ではありません。そうなると大卒社会人としては出力不足。ストレートが140中盤になるか、左打者がしっかり引っ張れている場面が見受けられるため、左のインコースを詰まらせる変化球の開発が課題となります。

 

 

【指名順位予想】

 3球種のみの左腕は指名のラインとしては最速150キロ超え、平均145前後が多く、140中盤でも指名される選手の多くは4種以上の変化球を持ち、左右のコースをしっかり使えることが条件となります。

 そのため現状のままでは指名漏れの可能性が高くなっています。上記のどちらかを達成すれば5~6位の下位指名。両方を達成すれば3~4位の中位指名となります。