都市対抗野球大会２回戦（東京ガス５－１三菱重工Ｗｅｓｔ、５日、東京Ｄ）東京ガスの先発左腕・高橋佑樹投手（２４）が８安打されながらも６回１失点に抑え、８強入りに貢献した。一回に１点を先制されたが、味方がその裏に２点を奪って逆転。その後も効果的に追加点を奪った打線に粘投で応えた。
高橋は慶大出身で社会人２年目。「ストレートを中心にしていこうと思っていたが、立ち上がりストライクが入らず、思い描いていたのとはほど遠かった。味方が点を取ってくれて、４点差になった六回は気持ちが入ったし、野手がしっかり守ってくれた」と振り返った。
小学生時代からヤクルトファンで、精神的に落ち着かせてくれたのは、大会前に日本シリーズのインタビューでヤクルト・高津監督が言っていた「絶対大丈夫」という言葉だと明かした。
「あのインタビューを見て、自分も勇気づけられ、自分でも（絶対大丈夫と）言い聞かせていた。山口監督からは、『よくて５回３失点』といわれていて、それより、いい成績を出したいと思っていた」。〝粘投〟は、ヤクルト日本一効果？
【高橋選手の紹介】
１７４センチ７８キロ 左投げ左打ち
変化球：スライダー・カーブ・チェンジアップ
経歴：川越東ー慶応大ー東京ガス
解禁年：２０２１年
ワインドアップから上半身を捻りながらオーバースローの角度で投げ下ろすフォームから最速１４７キロ、常時１４０前半のストレートを投げ込む左腕投手。１３０前後の大きく変化するスライダーに１１０キロ後半のカーブ、さらにチェンジアップで打ち取っていきます。
武器は高い位置から投げ込む角度のあるストレートと、落差のあるスライダー。そこに大きくタイミングをずらすカーブで見逃しを奪っていきます。
チームでは主に先発で起用。都市対抗では２試合に先発し、９（２/３）回を４四死球３失点で防御率２．７９となっています。ＮＴＴ東日本戦では立ち上がりのストレートが安定せず３回途中で降板したものの、初戦の三菱戦では６回１失点と結果を残しており、更なる実績を残し即戦力先発候補としての飛躍が期待されます。
【指名への課題】
高橋選手の武器は大きな腕の振りから生み出される変化量の大きい変化球ですが、クイックになるとこの変化量が落ち込みます。クイック時はあまり足を上げないためフォームの勢いが落ちる上に、腕の振りも小さくなるため変化量が落ち込んでいます。
またリリースポイントも低くなっているためストレートの角度が減っており、右打者へのインコースの脅威が落ち込みチェンジアップも低い位置から落ちるため、打者がボールと判断しやすくなりボールになる割合が増えています。
【指名順位予想】
クイックになると変化球のキレが落ちてしまうのは先発型としては大きな課題であるうえ、通常時でも１４０前半と、オーソドックスな投球スタイルの即戦力先発左腕としては出力不足。変化球の球種も左腕が持つ基本３種のため、スペック面でも物足りなさが残っています。
そのため現状では指名漏れの可能性が高くなっています。
