読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

投げ下ろす球が武器 トヨタ自動車 嘉陽 宗一郎選手 2018年解禁済右腕投手

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社会人野球のトヨタ自動車が11月22日から東京ドームで開幕する都市対抗野球大会出場を決めた。激戦の東海地区予選を4連勝で勝ち切っての第1代表。本戦出場に大きく貢献した3選手を掲載。第2回は嘉陽宗一郎投手(24)。
 1メートル87の長身から、イメージ通りのストレートを投げ込んだ。「これでいける」。トヨタ自動車・嘉陽は登板直後の2球に、十分すぎる手応えを感じ取った。9月16日に行われた都市対抗野球東海地区2次予選・東邦ガス戦。出番を告げられたのは、9―2の8回1死満塁の場面だった。

 「点差もありましたし、とにかく思い切り腕を振ろう、と」

 言葉通り、3番・上内には1、2球ともストレートを続けた。いずれも振り遅れてのファウル。自信が確信に変わる。簡単に追い込むと、最後は外角低めストレートで見逃し三振を奪った。続く4番・若林も、外角ストレートで見逃し三振。9回も3者凡退で締め、1回2/3を無安打4奪三振という快投を披露した。

 「僅差だったので、めちゃめちゃ緊張していました」

 クライマックスは同月22日にあった、ジェイプロジェクト戦だった。4―2の8回から登板。いきなり無死満塁を招いたが、後続をニゴロ併殺と空振り三振に仕留め、最少失点でしのいだ。「さらに自信がつきました」。最終回は2三振を奪って3者凡退。チームの第1代表決定戦進出を後押しした。

 地道な取り組みが実を結んだ。岩崎司投手コーチと話し合いを重ね、今季のテーマに掲げたのが「球速アップ」。従来の瞬発系、遠投というメニューに加え、6月からはウエートトレーニングにも力を入れた。「上から叩き下ろす」イメージだった腕の振りも、スリークオーターに変更。NPB経験者で捕手最年長の細山田武史からは「困ったらアウトローだ」と、口酸っぱく声をかけてもらった。様々な要素が奏功し、昨年は144キロだった最速が、2次予選では148キロをマーク。亜大1年時に計測した147キロを、6年ぶりに塗り替えた。

 「本戦も予選のような使われ方になると思います。緊迫した試合ばかりでしょうが、予選みたいに1球1球を大切に丁寧に投げていきたい。都市対抗ではまだ投げていない。優勝に貢献できるよう、しっかり結果を残したい」

 フル回転が期待されていた昨年は、2大大会で登板することなく終わった。巻き返しを期す入社3年目。イメージ通り、いや、それをも上回るスピードで進化を遂げた嘉陽が、救援陣の中核を担う。 

トヨタ自動車・嘉陽 進化見せる3年目右腕、初の大舞台でも「結果残す」― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

【嘉陽選手の紹介】


www.youtube.com

187センチ90キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・フォーク・ツーシーム

 経歴:松山聖陵亜細亜大ートヨタ

解禁年:2018年

 

 セットから上半身を少し捻り、そこからスリークォーターよりも高い角度ながら小さく肘を折りたたむテイクバックの小さい腕の振りから最速148キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む右腕投手。

 小さく変化する縦のスライダーに120キロ台の変化量が小さめのカーブ。さらに弧を描いて落ちるフォーク、小さく外に逃げる130後半のツーシームなどを駆使して打ち取っていきます。

 武器は角度あるリリースから投げ下ろすストレートに弧を描いて一気に落ちるフォーク。速球とフォークに狙いを絞るとスライダー・カーブで大きくタイミングを外されるため、芯に当てたような当たりが少なくなっています。

 チームでは主にリリーフで起用。当初はリリーフでも140前半が多かったものの、球速アップを目標に掲げウェートトレーニングを実施。140前半だったストレートは140中盤まで上がるようになり、最速も148キロに更新。

 長身の角度がある球を武器とした右腕となっています。

 

【指名への課題】

 角度があるフォームであるため左に対しては外へのスライダーとフォーク、ツーシームで徹底した外攻めながら打者に思い切ったスイングをさせない投球術を披露していますが、腕の振りがちいさいためスライダー系の変化量が小さく、嘉陽選手は左右どちらにもアウトローを中心とした投球を行いますが、右打者の外に使うスライダー・カーブの精度とキレがいまいちなため、右に対してはストレート中心となり左に比べるとしっかりとした当たりを打たれており、対右に対しては不安を残しています。

 

 

【指名順位予想】

 年齢も考えると即戦力として見なされなければ指名の可能性は低くなっています。解禁時より球速があがりある程度ストレートが通用するようになっていますが、左右どちらでも安定しなければ即戦力とは見なされません。ここ最近のワンポイント起用に限定される選手の需要も落ち込んでいるため、左右どちらかにしか使えないとなると指名を避ける球団も出てきます。

 このため現状では指名漏れの可能性が高くなっています。指名候補となるにはスライダー・カーブの変化量アップが鍵となります。